韓国の若者に大人気のメンズブランド「サンサンギア」 ディレクターが語るブランドのコア
コンテンツの見せ方においては「芸術性」「現時性」「直感性」の3つをすべて満たすよう心がけています。コンテンツ自体は必ず芸術レベルの高いものでなければなりませんが、私たちが選んだ素材や表現方法が適切であり、またそれを見る人が、私たちが伝えたいことを簡単に理解できることも重要です。
さまざまなカルチャーを照らす存在に
―2024年春夏コレクションのエディトリアルイメージで何を伝えたかったのかを教えてほしい。
キム:今シーズンのテーマは“SCOPE”、つまり「観察」です。とあるアーティストの歩みから、木材の細胞の顕微鏡写真まで、スコープの倍率を調節したレイヤーで、さまざまな観察対象に対する美学を語ることを試みました。
―自社発行のマガジン「スコープ」をコレクションと一緒に公開した。一般的なファッション企業ではあまりやらないことだ。
キム:雑誌は、私たちが表現したいことを最も直感的かつ多様に表現することができる、顧客に最も身近な形のコンテンツです。私たちの雑誌“燦燦(さんさん)”では、単にルックブックやエディトリアル写真だけではなく、シーズンのテーマと私たちが追求する価値を、より多様に見せようと考えています。ミュージックプレイリストやグルメなどの要素も盛り込みました。
私たちは「サンサンギア」が一つの“文化”になってほしいと考えています。かつて注目された、あるいはまだ注目されていないさまざまなサブカルチャーを「さんさんと」照らす存在です。
―日本の若者の間でも人気が高まっている。
キム:想像以上に私たちのブランドを好きになってくれて、本当に感謝しています。私は子供の頃、日本のアニメを見て育ち、日本の市場を見てファッションを勉強しました。日本はファッションや文化的なレベルが高い国です。日本に出張に行った時、道行く人たちが自分だけのムードでスタイリングしたファッションをしていて、衝撃を受けました。だから最初は「サンサンギア」が日本で通用するかどうか不安だったのも事実です。