「ジャッポーネ感動した、名勝負だ!」日本女子バレー銀メダルをイタリア実況アナ絶賛「一番驚かされたのは古賀紗理那や石川真佑ではなく…」
元選手の実況アナも興奮「敬意を払いたい」
試合中継では、忘れられない名実況も生まれた。 「この試合を見た日本の少女たちが、いつか自分もと代表のユニフォームを夢見て、今すぐにでもボールを弾ませる光景が目に浮かぶようです。ブラジルとの準決勝は日本バレー史上に残る名勝負となったのではないでしょうか」 大会を通して日本戦をメインに実況を担当した女性アナウンサー、マリア・ピア・ベルトランは、過去にセリエBでプレーした経験もある元セッターだ。本業の傍ら、今も地元アマチームでトスを上げる彼女は日本のプレーぶりに心を震わされた。 「強い決意に満ちたプレー、仲間への信頼、絶対にあきらめない心とそれを支えるテクニック。選手経験があるなら誰でも、日本みたいにプレーしてみたいって思うんじゃないかしら。実況しながら“バレーって素晴らしい”ってあらためて感動させられた。心の底から彼女たちに敬意を払いたい」 セリエAの試合中継も手掛ける彼女にとって、日本チームで最も親しみのある名前はやはり石川真佑だろうが、一番驚かされた選手の名を問うと、ブラジル戦で21得点を挙げたアウトサイドヒッター和田由紀子の名が返ってきた。 「個人能力の高さをチームとして融合、昇華させたのが今大会のイタリアの勝因だ」 決勝後、イタリアを率いてVNLを制した代表監督フリオ・ベラスコは総括した。 御年72歳のベラスコは国際バレー界にその名を知らぬ者なしといえるほどの世界的名将。1年前の欧州選手権に端を発する代表チーム内紛と前監督ダビデ・マッザンティ辞任を受け、昨年末に女子代表指揮官へ25年ぶりに復帰した。孫ほどの年齢の選手たちと挑む、初めての大きな国際大会だった。 絶対的エースを気持ちよくプレーさせることを最優先し、相手の注意を向けさせることで残りの選手たちにも伸び伸びと能力を発揮させる“戦術エゴヌ”を貫いた智将の采配は見事に奏功した。ベラスコは「タイトルはチームとしての勝利であり、選手たち自身の勝利でもある」とも強調した。 これは裏を返すと、彼女たちを五輪本番で倒すには、大会のベスト6に選ばれた主将古賀紗理那やリベロ小島満菜美だけでなく、残りのメンバー、一人ひとりのさらなるレベルアップが必要ということだろう。 加えて、スポーツ大国イタリアの選手たちには、“決勝”と名のつく舞台になると、俄然闘志を倍加させる選手気質があることも記しておきたい。 ベストセッターを受賞したアレッシア・オッロ(イタリア)が、チームメイト全員の思いを決勝後に代弁している。執念がにじみ出ている。 「私たちにはこの後、より大事な目標(=パリ五輪)が控えています。だから、このファイナルには絶対に勝たねばならなかった。どんな形でもいいから、とにかく絶対に勝たねばならなかったんです」
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