【東海S】実績、血統から本命はウィリアムバローズ 穴は複数好データに該当のタイセイドレフォン
前走の敗因:みやこSのウィリアムバローズ
ウィリアムバローズの前走はみやこSで結果は3着。普段は逃げか先行の競馬をしているが、このレースはスタートでやや後手を踏み1コーナーの侵入は7番手。また14番枠からの発走だったこともあって、すべてのコーナーで外々を回らされ、かなり距離ロスしてしまった。 普段と違う競馬かつ厳しい展開でも3着にきているのは実力の証で、実績はここでも最上位。今回は中10週での出走だが、中10週以上間隔を空けた場合の成績は【3-2-0-0】とオール連対。オメガギネスは強敵だが関西遠征は今回が初めて。キャリアも浅く経験の差で逆転はあるだろう。
血統解説:ウィリアムバローズ、タイセイドレフォン
・ウィリアムバローズ 日本での牝祖は祖母チッキーズディスコ。競走馬としての実績はないが、繁殖としては本馬の母で紫苑Sを勝利しているダイアナバローズ(父シンボリクリスエス)、芝中距離でJRA3勝のイチブン(父フジキセキ)などを輩出している。ファミリーとしてはスタミナ豊富で、切れずとも持続性能の高い末脚を持つ馬が多い。チッキーズディスコは、El Gran Senor、Shirley Heightsとタフな血統を塗り重ねられていて、Mill Reefの2×3という強烈なクロスも持ち合わせている。そこから持続性能とタフさを獲得しているのだろう。 本馬の場合は母父がシンボリクリスエスで、ファミリーの良さをそのまま伸ばすような母の配合に、ディープインパクト産駒の中でもスピード性能が高く硬い筋肉質なミッキーアイルをつける形。同産駒は牡馬の場合、柔らかさが足りずダートに適性が出る場合が多く、本馬もそのタイプ。またミッキーアイルはステラマドリッド牝系で、このファミリーは先行して粘り強いという特徴が顕著。アエロリットやテイエムジンソクも同様のファミリーだから想像しやすいだろう。本馬もそんな父の特徴を受け継いでいて前に行ってしぶとい。中山巧者と思われているかもしれないが、血統的には平坦な京都もこなせる。 ・タイセイドレフォン 日本での牝祖は祖母マハーブ。繁殖牝馬として優秀で、ダート1200mでOP2勝のマハーバリプラム(父フジキセキ)、本馬の母でJRA4勝のデイトユアドリーム(父トワイニング)などを輩出している。孫以降の世代はさらに優秀でJRA複数勝利馬は多数。中でも小倉大賞典勝ちのヒンドゥタイムズ(父ハービンジャー、母父ディープインパクト)が出世頭だ。こちらのファミリーはウィリアムバローズとは打って変わって北米血脈で塗り固められている。マハーブの父Nureyevだけがヨーロッパ血脈でアクセントになっており、デイトユアドリームは配合のバランスが良い。 ヒンドゥタイムズの場合はディープインパクト→ハービンジャーと芝適性を2代で獲得したが、本馬の場合はトワイニング→ドレフォンだからダート特化タイプ。成績が示す通り平坦京都は合っていてベストな舞台。前走より2走前の方がきつい競馬をしていて、それでいて前走はパフォーマンスを落としているわけだから内面に敗因を求めるほかないが、もまれずにスムーズな競馬ができればここでも上位争いは可能だ。