【ハイライト動画あり】ルーキーWTB白井瑛人、デビュー戦でハットトリック。明大、青学大との開幕戦に大勝
前半36分、ラインアウトのムーヴからLO梁取駿太がトライを奪った青学だったが、後半は1トライだけに終わった。 一方、明治はさらに7トライを追加した。
後半最初のトライも白井が決めた。デビュー戦でハットトリック。スクラムからCTBが前へ出た後、左に展開したボールを左中間に置いた。 昨季の花園を制した桐蔭学園出身の1年生は178センチ、83キロとバランスの取れた体躯。ポジショニングがいいから決定機に必ず顔を出していた。
明治はそのトライ後の約35分間に6トライを奪ったが、そのうち4トライがラインアウトからのモールを押し切ったものだった。 反則を誘い、敵陣深くへ。途中出場のHO山本文士郎がスローイング後、モール最後尾でボールを持って舵取りをする。安定感あるプレーを見せた。 紫紺の塊が生むパワーは大きい。今季の大きな武器とまりそうだ。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、先発した1年生のSO萩井耀司が選ばれた。ハットトリックのWTB白井と同じ桐蔭学園出身だ。 各選手の力をうまく引き出すパフォーマンスを見せた司令塔は、「この試合を通して、(チームは)まだまだ課題があると分かった」と話した。 春から経験を積み、成長してきた。まだまだ大きな伸びしろがある。
この日は、日本代表に招集されたFL利川桐生は欠場し、WTB海老澤琥珀は途中出場。U20代表の伊藤龍之介もベンチスタートながら、明治は尻上がりに調子を上げた。 若い力と競争で、シーズンの深まりとともに結束を高めていきそうだ。
青学は結果的に大量失点となったが、いいところも見られた。 ゴール前へ攻め込んだときの決定力はあり、一人ひとりの前へ出るタックルは力強かった。組織としてもっと粘れるようらなれば失点も抑えられそうだ。
スクラムで紫紺のパックを押し切り、敵陣深くに居座る時間帯もあった。後半唯一のトライもそこで生まれ、FWは自信もつかんだだろう。 100周年イヤーの初戦に結果は出なかったが、開幕前にCTB河村凌馬主将が「思い切ってチャレンジする。自分たちの力を知るいい機会」と言っていたように、この先進むべき道が見えたはずだ。 武器とスタイルを研ぎ続ける日々は、さらに続く。
田村一博