ロシア→米国に…東京チタニウム、「チタン合金板材料」調達先切り替え
東京チタニウム(さいたま市岩槻区、小沢良太社長)は、チタン合金の板材料の調達先をロシアから米国に切り替えた。ウクライナ侵攻などで情勢が不安定なロシアからの安定調達が難しくなっているためで、このほど米国の大手チタンメーカー複数社からの直接輸入を開始した。潤沢な在庫を抱え、顧客の要望に素早く応えられる体制を整える。 東京チタニウムが調達するチタン材料の約2割を占める、チタン合金の板材料を米国から調達する。8月に、第1弾を同社工場に仕入れた。今後複数回にわたって仕入れ、およそ3年後までのチタン合金の板材料を確保できる見通しだ。小沢社長は「航空機や医療向けなどの厳しい品質水準を満たしている」としている。 同社はスポンジチタンなどを板や棒状に加工する国内外のチタンメーカーから材料を調達し、受託加工や材料販売を担っている。国内製鉄メーカーのチタン製造は縮小傾向にあり、仕入れ価格が高騰していることなどから、板材料はチタン産出国であるロシアから調達していた。 チタン製品の需要は、コロナ禍で落ち込んだ航空機需要の回復や医療機器市場の成長により今後も増加する見通しだ。こうした需要を取り込み、2029年8月期の売上高を24年8月期(見込み)比15%増の15億円とすることを目指す。 同社はチタン材の販売や受託加工が主力。手術器具などの医療向けや海洋機器部材、半導体製造装置部品を手がけている。