【毎日書評】「気くばり上手」な人が相手と会う前にやっている準備
相手に会う前からできること
即興で相手との共通点を探すのは、ハードルが高く難しいという方は、事前準備ができる場面で、相手のことを徹底的にリサーチすることから始めてみてください。 ビジネスパーソンにとって、事前準備は仕事の基本ですが、この基本を「徹底的に」やることが大切です。(64ページより) たとえば著者が事前準備をするタイミングは、営業先や得意先への訪問があるときだけではないそう。仕事のパートナー、一緒に働く同僚や友人、レストランなどに対しても事前準備を徹底しているというのです。 研修を担当させていただく会社については、その会社のHPを見れば、社訓や企業理念などが書かれており、打ち合わせの際にその話をすると「この講師はしっかりとうちの会社のことをわかってくれている」と相手に伝わり、かなり好印象です。(64ページより) そうしたところから会話が進めば、コミュニケーションも円滑になるということ。(64ページより)
相手が喜ぶことばがわかったとき
誰かが発したことばについて、「これは私に合わせて、適当に話しているだけだな」と感じたりした経験は誰にでもあるはず。しかし、そういう人のことを信頼し、これから親しくしたいとは思わないものではないでしょうか。しかも、ふと気づけば自分が同じようなことをしていたというケースもあるかもしれません。 皮肉なことではありますが、「好かれよう、好かれよう」とするあまり、自分でも気づかないうちにご機嫌取りに終始してしまうことは珍しくないわけです。しかし、そんなときはことばが上滑りし、どんどん相手の心は離れてしまうものでもあります。 正直でない人は、信頼も信用もされません。 つまり、深い関係を築くには、相手と本心で向き合うことが一番といっていいでしょう。(67ページより) 大切なのは、“ありのままの本当の自分”として相手と向き合っていくこと。したがって、自己肯定感を持って臨むことも重要な意味を持つわけです。 何より、相手に合わせようとして、心にもないことを言うことがしょっちゅうでは、自分が疲れてしまいます。 自分を偽るのは存外に心を削る行為なのです。 その相手といるときに、「本当の自分」でいられない時間が多いというのも、とても健全な関係とはいえませんね。(67ページより) 気くばりは本来、気疲れするようものではなく、むしろ相手を喜ばせることによって自分自身も満たされるもの。相手に興味を持って観察し、相手が喜びそうなこと、なおかつ自分が心から望むことだけを、心を込めて行動に移していくことこそが大切なのです。(66ページより) 著者が指摘しているように、気くばりは決して難しいことではありません。本書を参考にしながら、「気くばり上手」を目指してみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: SBクリエイティブ
印南敦史