「モデルY」に似たSUVをより安く? シャオペンG6 ロングレンジへ試乗 航続569kmのイイクルマ
好印象な回生ブレーキ 充分に使える運転支援
今回試乗したのは、ロングレンジとパフォーマンスの2台だった。前者でも286psで加速力は充分以上で、後者は極めて鋭い。想像の範囲内とはいえるが。 筆者が好ましいと感じたのが、回生ブレーキ。アクセルオフで惰性走行するモードがあり、ブレーキペダルの感触が漸進的で扱いやすいと感じた。タッチモニターを介して、強く減速するようにもできるが、ワンペダルドライブには対応していない。 普段使いなら、アクセルペダルの反応が穏やかになるエコ・モードが丁度いい。スポーツ・モードを選択すると、ローンチコントロール機能も使えるようになる。 乗り心地はやや硬め。しかし、舗装のツギハギが多い市街地でも不快なほどではない。高速道路で100km/hまで加速したが、車内はとても静かだった。 グリップ力は高く、トラクションコントロールの介入は自然。ステアリングホイールはフィーリングが希薄で、反応も機敏とはいえず、運転を楽しめるわけではない。シングルモーターの方が軽快感は高く、小回りも利くようだ。 運転支援システムも、充分に使える印象。煩わしい場合は、簡単にオフにもできる。 電費は、ロングレンジでもパフォーマンスでも、平均で6.1km/hが試乗後に表示された。比較的平坦なオランダの公道を、大人しく走った場合の数字だ。実際の航続距離は、525km程度と考えられる。
モデルYへ似た見た目と同等の機能をお手頃に
シャオペンG6をヒトコトで表すなら、イイクルマ。際立つような強みがないともいえ、悪くない実力を理解してもらうのに、欧州のマーケティング部門は苦労するかもしれない。あるいは、それが特徴なのかもしれない。 乗り心地は充分に良く、アクセルペダルも扱いやすく、アダプティブ・クルーズコントロールも問題なく機能した。モデルYに似た見た目と同等の機能を、よりお手頃な価格で実現したといっていい。単純に評価すれば、充分に褒められるだろう。 これをキャッチコピー化するのは、難題かもしれないけれど。 ◯:長めの航続距離と速い充電能力 お買い得な価格 扱いやすい駆動用モーター △:匿名性の高いスタイリング 硬めの乗り心地でもスポーティではない
シャオペンG6 ロングレンジRWD(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万3000ポンド(約860万円/予想) 全長:4753mm 全幅:1820mm 全高:1650mm 最高速度:199km/h 0-100km/h加速:6.7秒 航続距離:569km 電費:5.7km/kWh CO2排出量:- 車両重量:2025kg パワートレイン:永久磁石同期モーター バッテリー:87.5kWh 急速充電能力:280kW 最高出力:286ps 最大トルク:44.8kg-m ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)
イリヤ・バプラート(執筆) 中嶋健治(翻訳)