「モデルY」に似たSUVをより安く? シャオペンG6 ロングレンジへ試乗 航続569kmのイイクルマ
モデルYに似た見た目 電圧800Vの電動システム
中国から、また新しい電動SUVがやってくる。車内には大きなタッチモニターが鎮座し、間接照明も備わる。シャオペンというブランドを立ち上げたのは、新興のデジタル技術企業で、欧州への販売計画も野心的に進められている。 【写真】「モデルY」に似た電動SUVをより安く? シャオペンG6 競合サイズの電動SUVはコレ (194枚) このシャオペンG6のライバルになるのは、テスラ・モデルYやヒョンデ・アイオニック5など。実力車揃いのクラスといえ、もう少し独自性は欲しいところかもしれない。2024年11月には、右ハンドル車も用意されるそうだ。 スタイリングは、モデルYをスリムにしたような印象。全長もほぼ同じ。グレードは3段階が設定され、シングルモーターのスタンダードレンジとロングレンジ、ツインモーターのパフォーマンスという構成で、これもテスラの展開に似ている。 航続距離もモデルYに並び、スタンダードレンジには66kWhのLFPバッテリーを搭載。それ以外には、87.5kWhのNMCバッテリーが積まれる。 G6の強みとなるのが、ポルシェ・タイカンやアイオニック5などと同様に、電圧800Vの高性能な電動パワートレイン技術を実装すること。急速充電能力はかなり高速で、66kWhでは最大215kW、87.5kWhでは最大280kWまで対応する。 残量10%から80%までの充電に要する時間は、最短で20分。最近は、かなり短くなったと実感できる。
数10万円安い価格 車内に強い不満はなし
英国価格は発表前だが、オランダの価格で比べると、モデルYより数1000ユーロ(数10万円)安い。しかもテスラと異なり、20インチ・ホイールもホワイトのインテリアも標準価格で選べる。ボディの塗装は、800ユーロ(約13万円)で変更可能だ。 テスラに似た見た目で、似た性能を持つバッテリーEVが、だいぶお安く買えるというわけ。具体的には、スタンダードレンジで3万6320ポンド(約726万円)相当。パフォーマンスでは4万3925ポンド(約879万円)相当となる。 安いなりに製造品質が劣るのでは?とお考えかもしれないが、そうでもない。インテリアは、シンプルで記憶に残るデザインではないとしても、強い不満は感じなかった。多くのユーザーにとって、納得できるレベルだろう。 車内の雰囲気は、モデルYのマイナーチェンジ後といった感じ。ソフトな人工皮革が広範囲に用いられ、小物入れはふんだん。ドアミラーの角度調整まで集約された、大きなタッチモニターがダッシュボード中央に据えられる。 走行速度や航続距離などが表示される、小さなメーター用モニターも運転席の正面にある。英語の表記や、ユーザーインターフェイスも悪くない。ショートカットが並ぶメニューバーが常時表示され、多くの機能は2度のタップでアクセスできる。 アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応予定。ソフトウエアのアップデートが控えているそうだ。 車内空間は、モデルYより狭い。フロントのボンネット下に収納空間はないが、アイオニック5と同等といえる。