「ドウデュースが負けるとすれば…」武豊に一抹の不安? “東大卒の予想家”が有馬記念を徹底分析
有馬記念で“一発逆転”はあるのか
――では早速ですが、今年の有馬記念はどんなレースになりそうですか? 鈴木:実は今年に限らずですが、有馬記念自体がそれほど荒れるレースではありません。過去10年で見ても、単勝オッズ10倍未満の馬が『9-5-8-20』と圧倒的な成績を残しています。10倍台の馬で『1-1-1-17』なのですが、20倍以上となると、『0-4-1-93』と好走率が一気に下がります。 ――人気馬が人気通りに走っているということですね。 鈴木:ただ複勝回収率ベースで見ても、単勝10倍未満が103%、10.0~19.9倍が53%、20倍以上になると25%なので、大穴狙いが得策とは言えません。 ――なるほど。年末の有馬記念で一発逆転ホームランを狙っても空振りする確率が高いということですね……。 鈴木:過去10年で最も荒れたのが、8番人気のゴールドアクターが勝利した2015年でしたが、その時でも三連単配当は12万円。それ以降もかなり平穏な決着が目立っています。
勝つ確率が圧倒的に高い馬は…
――ドウデュース、イクイノックス、エフフォーリア、クロノジェネシス……。確かに、強い馬が強い勝ち方をしていますね。そうなると今年も大荒れにはならないと。 鈴木:そうですね。今年の想定メンバーを見ても、人気薄の馬を手広く買うというよりは実力上位の馬をしっかりと見極めた上で絞って厚く買うのがオススメですね。 ――となると、やはり軸はドウデュースということになるんでしょうか。 鈴木:まず馬券圏外に飛ぶことはないと思います。おそらく単勝1倍台の圧倒的な支持を集めるはずなので、私自身は単勝を買うつもりはありませんが、勝つ確率が最も高いのはドウデュースでしょうね。 ――ドウデュースに死角らしい死角は見当たりませんか? 鈴木:データでいうと、ジャパンCを勝った馬は次走の有馬記念で抜群の成績を残しているというわけではないです。ただ、同じ年の天皇賞(秋)→ジャパンCを連勝した馬に限ると、1986年以降に3頭いて2勝2着1回。勝ったのが、テイエムオペラオーとゼンノロブロイで、2着に負けたスペシャルウィークもグラスワンダーに数センチの差で競り負けただけです。繰り返しになりますが、ドウデュースが勝つ可能性は極めて高いとみています。 ――雨が降ろうが槍が降ろうがドウデュースということですね。 鈴木:いや、唯一不安があるとすれば、雨が降って馬場が渋った時ですね。3歳秋の凱旋門賞は19着に惨敗しましたし、重馬場で行われた今年の宝塚記念も末脚不発の6着。道悪適性には疑問符が付きますが、今のところ雨は降りそうにありません。良馬場ならドウデュースに全幅の信頼を置いてもいいと思いますよ。ちなみに鞍上予定の武豊騎手ですが、有馬記念での騎乗で興味深い傾向があるんですよ。 ――どんな傾向ですか? 鈴木:枠順ですね。武騎手はこれまで有馬記念に33回騎乗して4勝を挙げていますが、内目の1~4枠に入った時は『4-7-2-10』という好成績を残しています。一方で、5~8枠の時は『0-1-0-9』とまさに両極端。ドウデュースは後ろから行く馬なので枠順はあまり関係ないとは思いますが、外枠を引かないに越したことはありません。