子どもの「呟き」に反応できれば授業は最高潮に盛り上げる!
コトバ①
「今、呟いた人立ちましょう! 一言でも声を出した人、立ちましょう!」
宝物は〈呟き〉の中にある!
今回も、国語の読み取りの授業でのコトバです。授業が最高潮に盛り上がる時。そんな時が年に何回かはあります(笑)。予定していた子どもの反応を越えてくる考えがポンポン出て、全員が授業に集中している状態です。山登りで例えるなら「クライマーズハイ」という言葉がありますね。その授業者版です。(ジュギョウシャーズハイ?!) どうすればそのような状態になるのか。これが、どうも「呟き」に関係していそうなのです。 子どもたちが授業で咄嗟に反応する「呟き」。これをいかに拾って、捌けるかで授業の密度が大きく変わってくるのです。 では、その呟き、まずどのようにして拾うかですね。その時に、とても簡単で大胆な方法があるのです。それが今回の一つ目のコトバです。 一人の子が何か発言する。そしてそれを受けて、複数の子が「呟く」。明らかに授業の温度が上がった瞬間です。 そんな時、呟きを聞き切ること、聞き分けることはとても難しい。しかし、何を呟いたかは知りたい。そこで! その呟きを知っているのは呟いた本人である、ということに着目して、「今、呟いた人立ちましょう!」と子どもたちに声をかけます。さらに、「一言でも何か声を出した人は立ってごらん!」と続けます。 そして順番に言わせていく。 もちろんここで、忘れてしまった子には、「忘れました」と言って座らせます。無理に思い出させる必要はありません。 同時に、この「呟きを話させる」という行為は、「一言でも言えたという参加感」を実感させ、「一言でもあなたのその一言が、授業を素敵なものにするんだよ」ということを伝えています。 「呟き」を自然と拾うのは、なかなか難しいもの。研究授業などで、周りの参観者は「呟き」を聞き取れていても、授業者本人は「そんなこと言っていたのですか」と気づいていない場合が多いものなのです。だから、意図的に取りに行く。 授業を盛り上げる宝物は、呟きの中にこそあります。その呟きを意図的に取りに行く場合には、まず呟き自体を本人に話させましょう。呟いた場面をスルーせずに、もう一度呟かせましょう。そして授業を、「呟き」という「子どものコトバ」がどんどん出てくる場にしていきましょう。