禁門の変 西陣の油店に今も残る長州勢の傷跡 誠の足跡 新選組を行く
展示したのは、5代目にあたる浅原さんの義父。「京都は文化財があるから空襲されなかったといわれるのは噓や」との思いが込められているという。
近くの発掘調査現場をのぞけば、応仁の乱時の焼けた黒い層が顔を出す。店周辺に所有する駐車場や町家は平安宮の内裏(だいり)跡だ。自身は大学卒業後にトヨタに入社し、欧州での駐在員生活を経て、24年前に妻の実家である山中油店に入った。
「京都は歴史の層が折り重なった地だからこそおもしろい。この店の前を長州の軍勢が攻め入って逃げ帰ったかと思うと感慨深いですよね」。歴史に囲まれ、のれんを守り続けている。(池田祥子、写真も)