自動運転バス「レベル4」運行 東海で初、多気町「ヴィソン」 三重
【多気郡】三重県多気町の商業リゾート施設「ヴィソン」で自動運転バスを運行するソフトバンク子会社「BOLDLY」(東京都港区)は29日、運転手を必要としない「レベル4」の運転を始めた。東海3県初となる。 同社は昨年12月から、同所で運転係がいるレベル2の自動運転バスを定期運行している。レベル4はシステムがハンドル操作や加減速を担う。国土交通省の補助金を活用し、現在の3台のうち1台でレベル4を始め、3台へ拡大する予定。 ヴィソンは自動運転を見据え、令和3年の開業時から専用レーンを設けている。レベル4はレーンと一般車道を含む片道約2・5キロを時速20キロ未満で走る。定員7人で運賃無料。乗車は予約が必要。 出発式では同所の自動運転を7月31日に視察した岸田文雄元首相の祝電を披露。 BOLDLYの佐治友基社長は「日本にとって大きな意義がある。1人で3台の遠隔監視に挑戦する。今は1人対1台だが、1対3、1対5を目指す。同じ人数で便数を増やせる」と意気込んだ。 同町の久保行央町長は「人口減少で運転手不足となり、時を置かず公共交通に支障が出てくる。高齢者の足の確保が課題になる。自動運転で前を向いて進んでいけるようにしたい」と期待。試乗後に「快適。人や車が近づくと止まる」と乗り心地を話した。