『巨大地震注意』発表の今“私たちがすべきこと”とは 「慌てて何かをするのではなく…」南海トラフ地震の評価検討会・平田会長の見解
ハザードマップを見て“どういう経路で”逃げるのかシミュレーションを
また、市町村が発行している地震や津波のハザードマップを見て、いざという時の避難場所を確認しておくことが大切です。平田氏は、“どういう経路で”逃げるのかをシミュレーションしておくことも大切だといいます。 つまり、「最短経路がもし通れない場合はどうするのか」「家にいない時はどう行動するのか」などを家族と相談し、実際に『防災まち歩き』してみてみるということです。 このように、巨大地震注意が発表された時の「日頃からの地震への備えを再確認」とは、普段からやっておいた方がよいことで、できていなかったことを「念のため」しておくことだといえます。
取材の最後、一番聞きたかった質問を・・・
今後30年以内の発生確率が70~80%とされている南海トラフ地震。最後に、南海トラフ地震の「評価検討会」の会長を務める平田氏にこそ尋ねたかった質問をしました。 ―――いつか南海トラフ地震が起こるとき、臨時情報の発表を踏まえて起こるのか、それとも臨時情報なく起きるのでしょうか? 平田氏「何の情報もなく地震が起きます。ほぼ確実ですね。そう皆さんに思っていただかないといけないです。臨時情報が出るまでは安全だと思ったら絶対にいけないと思います」 ―――つまり、臨時情報なく南海トラフ地震が起こると思っていた方がよい? 平田氏「はい、そう思います」 「南海トラフ地震臨時情報」。初めて発表された今、必要なのは、この情報の真意を理解すること、そして冷静な判断と行動です。 ◆取材・文 福本晋悟 MBS報道情報局 災害・気象担当記者。人と防災未来センター特別研究調査員。今年5月、運用開始から5年たっても認知度が高まらない「臨時情報」についての特集を放送。