日本人が勤勉なんてのは大嘘!?...「学び続けてこそ」の人生を学ばずに終わる日本人が”多すぎる”ワケ
欧米と真逆の日本
さらにその人は、あくまでも仮説に過ぎないけれどと断った上で「仕事、働くことに目標を見いだせないのではないか」と言います。その源泉は子供のころから親に「がんばって勉強しなさい。いい高校、いい大学に入って、いい会社に就職しなさい」と言われていたからではないかというのです。ある意味、多くの者が、会社に入った瞬間にまるでゴールしたかのような、夢を実現し終わったような満足感・達成感をもってしまう。 たしかに日本人は勤勉にがんばって子ども時代から勉強をし続けます。OECDが世界の15歳児を対象に実施した学力調査では、調査が開始された2000年以来、日本は読解力で15位以内、数学リテラシーで一桁順位。科学リテラシーでは調査年のすべてで6位以内になっています。学生のころは学んでいるのです。しかし、その目的は「いい会社に入るため」なので、その先は学ばなくなる。 大学だってそうです。日本の大学は「入りにくく、卒業しやすい」と言われます。欧米の大学は逆で、比較的入学しやすいが、在学中にサボるとあっという間にドロップ・アウトしてしまいます。卒業するほうが難しいのです。 企業も型通りの新人研修を受けさせたら、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)という名の、教育とも言えない教育でお茶を濁します。あるいは、お仕着せの管理職研修です。数時間、あるいは何日か、研修を義務感で受講して、おしまい。ひどい場合は、研修中でも顧客対応で抜け出します。 そんな環境で学びを進められる人は、よほどの強い意志があるとしかいいようがありません。
山川 恭弘