頭のいい人が陥る「対話の落とし穴」とは? ベストセラー『LISTEN』に学ぶ、相手を深く知るためにやめるべきこと
■ 頭のいい人が陥る「対話の落とし穴」とは? 「心をしっかりと相手の話に集中させて聞き続けるにあたり、いちばんの障壁はおそらく、自分が話す番になったら何を言おうかという心配が頭から離れないことでしょう。」 相手の思考をパターン認識し、先回りして対話内容を設計してしまう。これは「あるある」だ。しかし、その手の対話は、結果的に、どことなく窮屈感を与えてしまい、表面的で面白くないもので終わってしまう。これが、「頭のいい人」「経験豊富な人」が陥る対話の落とし穴だ。 では、対話の際に「次に何を言おうか」と思考が先回りしがちな人はどうすればいいのだろうか? ケイト・マーフィはこう語る。 「結論をいうと、次に何を言おうかという心配は、自分のためにならないということです。自分の考え方から心を解放して、相手の話に耳を傾けた方が、もっと良い反応ができるようになり、相手とのつながりは強くなり、気持ちは落ち着きます。 また、よりたくさんの情報が得られるようになるため、会話がもっとおもしろくなります。それは、言葉を聞いているだけでなく、脳の余力を使って、話し手のボディランゲージや声の抑揚に注意を払い、話の文脈や動機も考えるようになるからです。」 つまり、先回りするよりも、相手の反応にしっかり注目する方がお互いにとってよい時間になるということだ。 私は対話をしている際に、相手の言葉を手書きでメモをとっていると言ったが、これは、先回りしがちな自分の思考を抑えるために至った自分なりの解決策だ(おかげで、私のメモ帳は他者が語った言葉で溢れている)。 そして、こうやって相手の言葉を書き留めることによって得られたことがある。それは、相手が繰り返し使う言葉に対して敏感になれることだ。 人にはそれぞれ口癖や、よく使いがちな言葉がある。そこに意識を向けて問いかけることで、相手が今まで気付かなかったことにリーチできることがあるのだ。これは、書き留めることによって気付いた対話の面白さだ。