「異常気象」と憲法改正―自民党総裁選三選の安倍首相に求めたい新理念
帝国憲法でも戦後憲法でもない新しい憲法への挑戦
この太平洋の理念を改正憲法に盛り込めないだろうか。 荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、「国の安全」と同時に「地表(生命の薄層)の安全」を考えることを表明できないか。自衛隊の存在を明記することは、理念を現実に合わせることであるが、それに加えて新しい理念を明記するのだ。平和の看板を外すのではなく、受動的平和憲法から能動的平和憲法への転換である。 自国主義が蔓延する一方で異常気象による被害が注目されているこの機運に、人類を含めた地球全体のグローバルな問題と日本国の基本姿勢とを結びつける。国益は大切だが、国民を統合するにはそれだけでなく理念も必要だろう。軍事大国(帝国憲法)でも経済大国(戦後憲法)でもなく「新しい理念の国」への憲法である。 挑戦はきわめて困難であるが、未来への責任として、少なくともわれわれ日本人は、今の人類を代表する形で「決して諦めてはいない」という姿勢を示すべきではないか。 人類は挑戦する動物種なのだ。