東京五輪を担う次の侍ジャパン監督は誰が適任か?
WBCでのV奪回を挑んだ侍ジャパンは準決勝で米国に1-2で敗れ、試合後、小久保裕紀監督(45)は自ら今大会限りでの退任の意向を表明した。「これで契約は満了です。やりきったといえばやりきったが、勝てなかったことは事実」と語ったもの。2013年に、世代を貫いた侍ジャパンを常設化する構想の元、トップチームの監督に就任したが、WBCが終わる2017年3月末までが契約期間だった。もし今大会で優勝すれば、続投の声も挙がっていたのかもしれないが、本人が、その考えを持っていないこともあって機構側も退任を受け入れ、今後、侍ジャパンの強化委員会が中心になって次期監督の選考作業に入ることになった。次期監督は、3年後の東京五輪を念頭においての人選ということになる。 ただ野球とともに五輪競技復帰を果たした日本ソフトボール協会は、昨年の段階で早々に元日本代表監督でもあり、現在、日本リーグのビックカメラ高崎で監督を務める宇津木麗華氏(53)の女子日本代表監督就任を発表している。そう考えると東京五輪に向かう侍ジャパンも、新体制作りを急がねばならず、11月には、日韓台の3か国による国際試合「アジアチャンピオンシップ2017」も控えている。 すでに“新聞辞令”で複数の候補者の名前が挙がっている。 筆頭は第2回のWBC優勝監督である元巨人の原辰徳氏(58)。続いて長嶋茂雄監督の代行的な立場で指揮を執りアテネ五輪で銅メダルを獲得した前横浜DeNA監督の中畑清氏(62)、小久保氏と同様に監督経験はないが、その日米の豊富なキャリアと、人気度、ぶれない野球理論が評価されている元ヤンキース、元巨人の松井秀喜氏(42)、前ソフトバンク監督で2012年に1試合だけ代表チームの監督経験のある秋山幸二氏(54)、元ヤクルト監督で、高い野球理論に定評のある古田敦也(51)、4年前には監督候補として具体的に議論されたこともあるヤクルトOBでWBC優勝経験と北京五輪出場経験のある宮本慎也氏(46)の名前が浮上している。 では、誰が適任なのだろうか。 元ヤクルト、西武監督でロッテGMも務めた広岡達朗氏は、こんな考え方を提言する。 「五輪は、そもそもアマチュアのイベント。プロアマが納得して監督を選ぶ必要がある。それには説得力が必要で、私は思い切ってその前年の日本一監督がやるべきだという考えだ。小久保も経験の無さを露呈したが、松井秀喜にやらせても経験不足だし同じことが起きる。五輪期間はペナントレースも中断されるわけだし、日本一監督という決め事があれば、誰も文句はないだろう。 つまり今回のWBCであれば小久保ではなく、2016年シーズンのペナントを勝ち、日本シリーズも勝った栗山監督がやればいいということ。2020年までの4年間で準備ができないという声があるならば、GMのような立場の人間をおいて前年までチームを調整しておけばいいだろう。4年も経過すれば、またメンバーもどうなるかわからないんだから」