国連の持続可能な開発目標の半分以上を前倒しで達成・中国
【東方新報】中国科学院と国連(UN)が共同で進めている調査活動「持続可能な開発目標を支援するビッグ・アース・データ報告書(2024年)」が最近国連のウェブサイトで公開された。 これによると、中国は国連が掲げている「持続可能な開発のための2030計画」の126の指標を前倒しで達成した。これらの指標は、同報告書で評価された227の指標の半分以上を占めている。 最近ニューヨークで開催された国連の「未来サミット(Summit of the Future)」の席上、中国の科学者チームがこの報告書を世界各国の代表者に説明した。 北京に拠点を置く中国科学院傘下の「国際持続可能開発目標ビッグデータ研究センター」が作成したこの報告書は、国連のデータギャップを補い、持続可能開発プロセスを推進する重要なサポートデータとなっている。 この報告書の優れた点は、マルチソース衛星リモートセンシングデータと人工知能アルゴリズムを使用して、中国と世界における持続可能開発の指標を定量的に評価しているところだという。 現在までのところ、2030年の目標に向けた世界的な進捗状況は緩やかで、過去8年間で目標の17パーセントしか達成できていない。これに対し、中国は55.5パーセントの指標を達成し、大きな成果を上げているという評価結果になった。 報告書では、17年から21年にかけて、世界の工業用熱源が9.05パーセント減少したことを強調しているが、この減少分の33.61パーセントは中国によるものだ。 00年から23年にかけて、世界の洋上風力発電は大幅に増加しているが、その主な部分は中国だ。23年までに、中国の洋上風力発電の累積設備容量は世界の総設備容量の約半分を占めるようになった。 国連の193の加盟国は15年9月、「持続可能な開発のための2030計画:我々の世界の変革」を採択し、17の持続可能な開発目標(SDGs)と248の関連指標を設定した。今年はその2030計画の後半の期間に入っている。 著名な地球科学者で中国科学院院士・郭華東(Guo Huadong)氏は「測定はデータがあってこそ可能で、SDGsの達成に不可欠だ。国連は中国が提供するビッグデータ報告書をとても高く評価している。だからこそ6年連続で国連の公式ウェブサイトに掲載しているのだ」と強調している。 第77回国連総会議長のチャバ・コロシ(Csaba Korosi)氏は「この報告書は科学者や政策決定者にとって明確かつ実用的な情報を提供し、『2030計画』の推進とそれ以降の行動計画の策定をリードできる資料だ」と評価する。 国連の「2030計画」の最終期限まであと6年しか残されていない中、24年は国際社会にとって持続可能な開発目標達成の後半戦における重要な年だ。 郭氏は「達成に必要なのは、技術革新、国際協力、政策改革だ。特に科学技術の革新を継続的に活用することで、目標達成のプロセスを加速できると信じている」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。