30代夫婦、団信に加入し「5,000万円のマンション購入」の1年後に「年収800万円・40歳会社員夫」急逝…住宅ローンはチャラだが、38歳妻が「生活苦」に陥ったワケ【FPが解説】
マイホーム購入時、生命保険の見直しをする人は多いでしょう。しかし、ライフプランに合わせた必要な保障の取捨選択を誤ると、想定外のアクシデントの際に困り果ててしまうケースもあるようで……。本記事では、Fさん夫婦の事例とともに、住宅購入時の生命保険の見直しポイントについて、FP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
住宅購入に合わせて保険を見直し
Fさん(38歳)は、首都圏在住の会社員でした。東京の大学を卒業後、食品メーカーに勤め、当時の年収は約800万円。妻Mさん(36歳)とは共通の友人の紹介で知り合い、結婚して10年が経とうとしていました。妻Mさんは結婚してからは、ずっと専業主婦です。 Fさん夫婦には、長女(7歳)、長男(5歳)がいます。妻Mさんは、内気でおとなしい性格の長女と外遊びが好きでやんちゃな長男の子育てに追われつつ、子ども達のママ友との集まりにも参加するなど、忙しい毎日を送っていました。 Fさん夫婦は、結婚したときから同じ賃貸マンションに住んでいました。最寄駅からは徒歩10分ほどで、学校や病院が比較的近く、買い物なども便利なのですが、子ども達が生まれて、手狭に感じることが多くなりました。将来的には、それぞれに子供部屋が必要になりますし、「マンションを購入しようか」というFさんの提案にMさんも賛成しました。 Fさん夫婦の貯蓄は1,000万円ほどでしたが、お互いの実家から300万円ずつ資金の援助をしてもらえることになり、それを頭金として5,000万円のマンションを購入しました。 マンションを購入すると、住宅ローンのほかに駐車場代、管理費、修繕積立金、火災保険、固定資産税など、賃貸のときとは違うさまざまな費用がかかります。少し心配気味な妻Mさんに銀行の担当者は、「生命保険の見直しをされる方は多いですよ」とアドバイスをしてくれました。 Fさんは、マンションを購入したときに団体信用生命保険へ加入しました。Fさんに万一のことがあれば、残りの住宅ローンは団信から支払われますので、返済の負担はなくなります。Fさん夫婦は銀行の担当者の言葉どおり、生命保険の見直しをすることにしたそうです。 幸せな毎日を送っていたFさん家族ですが、マンションを購入して1年後に悲劇が……。Fさんにがんが見つかったのです。治療をすることが難しいがんで、半年間の闘病の末にFさんは亡くなりました。
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