松井秀喜氏 「野球に真剣に向き合う、恐らく最後の試合だな」 アクシデントも「最後にまさか」
ヤンキースGM特別アドバイザーの松井秀喜氏(50)が、5日放送のBS-TBS特番「イチローVS松井秀喜~今だから話せる本音対談~」(後7・00)に出演し、昨年9月のエキシビション戦「高校野球女子選抜VSイチロー選抜 KOBE CHIBEN」を振り返った。 【写真】対談でバットを手に笑顔を見せるイチロー氏(左)と松井秀喜氏 イチロー氏からのオファーを受け、イチロー選抜の一員として出場。「選手として野球に真剣に向き合う、恐らく最後の試合だなと思って…というつもり行って」。並々ならぬ決意で迎えた一戦だった。 ところが、試合中にはアクシデントに見舞われた。中堅の守備で左中間の打球を追った際に、右大腿裏に肉離れを発症。「初っぱなにあれですよ。初っぱなに肉離れで、その時点で自分で“もうきたか”と思って」。ケガを押して出場し続け“”試合で、8回には右翼席へ豪快な3ラン。足を引きずりながらダイヤモンドを1周すると、ベンチ前で待ち構えたイチロー氏と、抱き合って喜び、ドームのファンを熱狂させた。「最後にまさかあんなことが待っているとかね」。打った自分も驚きの展開だった。 イチロー氏は「あの場面も最高だったし、涙した人もいっぱいいるし。だけど、あれが邪魔したということも言える。最初に足やっちゃって、こんなんじゃダメだともう1回作り直して、次…」。次回の出場へつながるケガという“シナリオ”も浮かんだようだったが、「だけど最後ホームランでこうやっているから、これで終わりの方がいい、という考え方も」とも話した。松井氏も「形として、終わりとして一番美しいというか…」と応じた。 それでもイチロー氏は、松井氏の再登場へ期待を口にした。「僕はアスリートとしては、こっち(足)をちゃんと直して、セントラルパークで走り込んで、もう1回センターとしてしっかり守れる状態。で、またホームラン、いい結果が出たらいいし、それができたらまたもっとやりたくなると思えるかもしれないし。どう?」。ニューヨーク在住の松井氏に呼びかけた。 松井氏は「考えます」と返し、「イチローさんに言われちゃうとね。自分だけで完結できない話になってきたからね」と即答を保留。それでも、「あの歓声を聞いちゃうとね。自分が打ってあの歓声が来るっていうあの快感をね」と、前向きな思いも口にしていた。