【70歳代のお金事情】年金の平均額や1ヵ月の生活費はいくら?気になる貯蓄額や就業率もピックアップ
シニア世帯の生活費はいくらかかるの?
今回は、シニア世帯の目安として65歳以上の単身無職世帯の家計収支を参考にします。 総務省統計局の資料によると、単身無職世帯の消費支出は14万5430円です。仮に厚生年金のみで生活していると想定し、先ほど算出した平均年金月額14万2513円を受給しているとします。 消費支出14万5430円に対して、実収入14万2513円になるので、約2000円の不足分が発生しますが、実際には税金と社会保険料を差し引くと、2000円の不足ではおさまらないのが現状です。 そのため、家計をやりくりするには貯蓄を取り崩したり収入を増やしたり消費を見直したりする必要があります。 次に70歳代単身世帯の平均貯蓄額と中央値を確認していきましょう。
70歳代単身世帯の平均貯蓄額と中央値
●【平均貯蓄額と中央値】 平均貯蓄額:1529万円 中央値:500万円 ●【金額階層別の世帯割合】 ・金融資産非保有:26.7% ・100万円未満:5.8% ・100~200万円未満:4.3% ・200~300万円未満:4.1% ・300~400万円未満:3.3% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.6% ・700~1000万円未満:5.1% ・1000~1500万円未満:8.6% ・1500~2000万円未満:5.3% ・2000~3000万円未満:8.2% ・3000万円以上:17.3% 70歳代単身世帯の平均貯蓄額は約1500万円と高額なものの、実態に近い数値である中央値では500万円となっています。 また、金融資産非保有の割合が全体の1/4ほどを占めていることも確認できました。 70歳代単身世帯のなかには、厳しい生活を送っている世帯がある一方で、現役世代のうちにコツコツと資産を築いてきた世帯もあることが予想されます。
現役シニア世帯の就業率
●【2023年の就業者数】 ・65~69歳:383万人 ・70~74歳:303万人 ・75歳以上:228万人 ●【2023年の就業率】 ・65~69歳:52.0% ・70~74歳:34.0% ・75歳以上:11.4% 現役シニア世帯の就業率は概ね右肩上がりで伸びており、65~69歳に至っては2023年時点で就業率52.0%となっています。 65歳以上のシニア世帯で就業率が伸びている要因としては、少子高齢化に伴って労働力不足が深刻化している状況で高齢者の就労促進が考えられます。 また、前述した通りシニア世帯のなかには年金所得だけで生活することが困難なケースもあり、年金以外の収入源を確保するために就業する方も少なくないとも予想できるでしょう。