転職先で「始業前にみんなにお茶をくんで」と言われビックリ!「昼休憩」と「午後3時」もお茶くみが必要らしいのですが、断っても良いでしょうか? 長い慣習のようです…
会社によっては、若手や新人による始業前や昼休憩時の従業員へのお茶くみが慣習となっています。来客対応の一環として業務時間内にお茶くみをするならまだしも、従業員へのお茶くみとなると「自分で用意すれば良いのに……」と感じるかもしれません。 本記事では従業員への時間外のお茶くみを断れるのかどうかについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
上司から指示されたお茶くみは労働時間に該当する
厚生労働省では労働時間を「労働者が使用者の明示または黙示の指示により、指揮命令下に置かれている時間」と定義しています。 「明示の指示」は口頭などで明確に伝えられる指示のことで、実際に業務を行っている時間や、会議や研修に参加している時間などは、明示の指示による労働時間となります。 一方、「黙示の指示」は明確な指示こそないものの事実上働かざるを得ないような状況のことです。例えば昼休憩中に電話や来客の対応をしたり、着用が義務である制服に着替えたりすることが該当します。 従業員へのお茶くみを上司の指示で行っている場合、労働時間に該当すると考えられます。しかし、特に命令がなく従業員に「一息ついてほしい」など個人的な理由でお茶くみをしている場合は労働時間に該当しないでしょう。
始業前や昼休憩にお茶くみを命じられたら
始業前のお茶くみを命じられている場合は、時間外勤務に対応するため、時間外手当を請求する権利があります。 また昼休憩時にお茶くみをしなければいけない場合は、お茶くみにかかった時間分の休憩を別途もらう必要があります。 労働基準法では、使用者は、勤務時間が6時間を超えるときは45分以上、8時間を超えるときは60分以上の休憩を与えなければならないとされています。お茶くみという軽作業とはいえ、それが業務にあたる場合は必要な休憩時間を確保しなければいけません。
「女性だから」という理由のお茶くみは違法
お茶くみは女性が行うというルールが設けられている会社もあるかもしれません。しかし「女性だから」のように、性別を理由にお茶くみを命じることは法律に違反します。 男女雇用機会均等法の第6条は、性別による差別を禁じています。男性にはお茶くみをさせず、女性にばかりお茶くみの指示をすることは、男女で異なる扱いをしており、差別をしているとみなされます。 男女の区別をしてお茶くみを命じていないかもチェックすると良いでしょう。お茶くみ制度を無くすための判断材料になります。