連ドラ初主演作が話題の44歳個性派俳優、「SNSもネットニュースも見ない」を決めたワケ
捉え方次第で見える世界が変わる
――なるほど。『インフォーマ』も情報を多面的に見る大切さなども感じられる作品ですよね。 桐谷:情報だけにかかわらず何でも、人によっての捉え方で絶対違うし、物事一つを取っても、自分にとっていろいろな見え方があると思うんですよ。 例えば、失敗したなって思う出来事でも、“失敗した”だけで終わらずに、“どうしたら自分にとっては成功だったのか”を考えられたら、成功のルートがイメージできるし、こっちの道があるんやって知ることができる。 失敗じゃなくて、“成功を教えてくれた出来事”っていうふうにも捉えられるんです。どんなことでも一面のものって多分存在しない。コインでも二面あるし。自分の捉え方とか、自分の感覚で全部変わるって感じはしますよね。
情報も悩みも捉え方と感覚が大切
――桐谷さんは悩みに直面したとき、いろんなルートを頭の中で探って導き出していくタイプですか? 桐谷:俺はあんまり考えないです。考えて考えて、「やっとこっちの道があるんや!」とかじゃなくて、「あれ?」みたいに、ポンと思いつく感じ。 でも昔はめっちゃ考えてました。やっと人にこうやって話せるくらいまで腑に落とせたというか、そういう感じです。 当たり前だけど、人生において悩み事ってあるじゃないですか。僕、最近よく勾玉の話をするんです。 勾玉って陰陽のマークで表現されると思うんですけど、大きい丸の中に、白と黒の勾玉があって、黒と白の丸がある。人間ってどっちか選ぶこともできるんだなって思います。 ――今、勾玉を思い浮かべてます。 桐谷:真っ黒の中に白い丸がちょっとある勾玉と、真っ白の中に真っ黒の丸がちょっとある勾玉。例えば白が“幸せな感覚”だとしたら、俺は白が大きい勾玉を選ぶ。でも、その中には真っ黒な丸もちょっと必要なんです。 ――楽しくないことも必要不可欠だってことでしょうか。 桐谷:どちらかだけだったら、ずっとそのままの大きさ。成長していかないですよね。 真っ白の中にあの黒い丸があるから成長していける。例えば黒の丸が一般に悲しいこと、嫌なこと、悩みとするなら、それがまた自分自身をでかくしてくれるから絶対必要なんです。 だから悩みや失敗があっても、「うわーっ!」とは思うけど、そっからすぐにでも切り替えられるというか、“これは成長するために必要な新たな道具”だと思えるし、自分の行きたい方向を教えてくれる指針にもなるから、その方向に向けてアクセルを踏むきっかけになる。 昔はめちゃくちゃ悩むこともありましたけど、今は切り替えがだいぶ早くなってきました。