試合はバイクで現地集合&解散、“草原”ピッチ…苦労だらけも「新たな自分に出会えそう」【インタビュー】
環境に苦労も「新たな自分に出会えそう」
内陸国という地理的条件や長く続いた過去の内戦により経済発展が遅れた影響で「アジア最貧国の1つ」と呼ばれるラオス。それゆえに、サッカーを取り巻く環境にも苦労がつきものだ。 「クラブハウスだけでなく、練習場もないのでいろいろな場所を転々と渡り歩いています。あと、ピッチの質も日本とは全然違いますね。草原みたいですし、凹凸があるのは当たり前。2メートル程度のパスでも平気でボールがバウンドしてしまいます」 前田は、自らの持ち味を「自分からボールに積極的に絡んで動かすプレー」と話す。理想とは程遠いピッチだと、フラストレーションが溜まりやすいのは推して知ることができる。しかし、「新たな自分に出会えそう」と目を輝かせる。今は「サッカーができる幸せ」が何よりも勝っているのだ。 「どこのお店に行っても自分が困っていたら周りの人が助けてくれます。基本的にみんな笑顔で接してくれるので、英語もままならない自分にとっては居心地のいい国です」 オファーが寄せられるまでアジアのどこにあるかさえ知らずイメージも湧かなかった国だが、住み始めるとすぐに現地の環境が気に入った。現在30歳。ラオスで残りのキャリアを全うするのか。 「東南アジア内のより高いレベルを目指したいので、まずはラオスでしっかり結果を残しステップアップしていきたいですね」 ラオスで始まったばかりの海外挑戦。ここからどのようなサッカー人生が展開されていくか、期待が膨らむ。 [プロフィール] 前田凌佑(まえだ・りょうすけ)/1994年4月27日生まれ、兵庫県姫路市出身。ヴィッセル神戸Jrユース-ヴィッセル神戸U-18-ヴィッセル神戸-大分トリニータ-愛媛FC。アンダー世代(U-15、17)では日本代表も経験。ボランチを主戦場とし、積極手にボールに絡んで攻撃を組み立てるプレーを持ち味としている。
FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治 / Ryoji Yamauchi