「冒険するように燕三条を楽しんでほしい」 ―工場の祭典2024が10月3日から4日間開催
来場者・工場・実行委員会・地元の方が交流できるオンラインコミュニティ
―― 見どころについて、結城さんはいかがでしょうか。 結城:もちろん、単純にできるだけ多くの工場を見て回ってほしいというのが、おすすめの見どころになるんですが(笑)。今年度からは、Discordを使って来場者・工場・実行委員会・地元の方が交流できるオンラインコミュニティも作ったんです。工場や運営側とお客さんのやり取りはもちろんですが、来場者同士のコミュニケーションも可能となります。 これまでは運営側からの発信や記事など、一方通行でしか情報を受け取れなかったのが、Discordを使うことで来場者側から「今ここにいるんだけど、おすすめの工場はありますか?」とか「今からご飯に行きたいんだけど、どこがいいかな?」のように、ダイレクトかつリアルタイムに情報を取れるようになります。地元の人に教えてもらいながら地域を回ることで、冒険するような感覚で燕三条を楽しんでほしいと思っています。 コミュニティにはすでに300人以上の方が入っていて、工場の祭典の常連と思われる方々がディープなやり取りをしています(笑)。初の試みなのでどれくらい機能するかは分からないですが、楽しみです。
立場を超えて、地域全体が繋がる機会に
―― 改めて、今年のテーマである「ものづくりを繋げ」に込める思いをお聞かせください。 安達:先ほどKOUBAの区分けを無くした話をしましたが、今年はよりシンプルに・ありのままに、燕三条にいる人達が本音で対話して、繋がっていけるイベントにしたいと考えました。燕三条の工場と来場者を繋ぐのはもちろん、買い手であるバイヤーも、工場同士も、みんなが繋がってほしいと思っています。 結城:これまでの開催で、工場の祭典は想定以上に多くのお客様に来ていただいたり、賞もいただいたりと成功を収めてきました。全国有数のオープンファクトリーとなった中で、今まで以上に関係人口の創出を狙っています。ただ「来る」「体験する」だけではなく、多業種の方が集まって、対話することで、イノベーションを生んでいきたいです。 ―― 地域全体を繋ぐという意味では、実行委員会としても、今年は燕・三条それぞれの商工会議所青年部からメンバーが集まっていますね。 安達:燕と三条は行政区としては分かれていても、産業としては全く区切りがありません。その点で、両市から実行委員会メンバーが集まり、「燕三条」のイベントであるという位置づけとなる点には価値があると思っています。燕と三条を繋げるという意味もテーマに含んでいますね。 結城:行政の主導で工場の祭典を続けていくには限界があり、昨年から民間で運営する方針に変わりました。ただ、民間だけでやるのも負担が大きく難しかったということで、今年は半官半民に近い立場である両市の商工会議所青年部が運営にあたることになったんです。史上最高に、「まち全体を挙げて工場の祭典を行う」という体制になっていると思いますよ。 安達:その思いはイベント内容にも表れていて、今年は実行委員会から参加工場・企業側に対して、独自の自主企画を行うことを積極的に奨励しています。スタンプラリーやクイズなど、エリアごとに様々なコンテンツが用意されています。