オタク同志が交際0日婚で結婚!?偽装結婚のための指輪「ネットでポチっと」でよくない?しかし、妻のこだわりは違った!【著者インタビュー】
同人誌作家として生きる女と漫画家志望の男が、交際0日で入籍!?理由は、「結婚したらお互い漫画を描きまくれるメリットしかないから!!」そんな2人の結婚の行方はどうなる?砂履シンシャ(@shisenraran)さんの漫画「オタ婚のススメ!」紹介するとともに著者に話を聞いた。 【漫画】オタ婚のススメ!を読む 結婚適齢期を迎えた男女が、生き方を否定されないために「結婚」という形を選んだ。主人公は、年齢=彼女いない歴の涼太と社会人兼同人誌作家として活動する明美。今は恋愛よりもやりたいことが優先な2人が選んだのは、“偽装婚”だった。本作は10月7日に第一巻が発売となった。 ■恋愛よりもオタ活が大事!利害が一致した2人は即日結婚を決めた 人生のなかでも一大イベントの「結婚」。しかし、婚姻届を出しに来た男女は、なぜか浮かれていない。彼らは「交際0日婚で入籍」したカップルだからだ。 いわゆる結婚適齢期にある2人は、親の圧に耐えられずお見合いで出会う。涼太は、「漫画家志望のすねかじりニート」と、自己アピール。定期収入に乏しい漫画家のアシスタントであることを理由に、お見合いを断るつもりだった。 すると、相手の明美は「奇跡かも!」と、喜ぶ。なぜなら、明美は社会人兼同人作家。休みの日は、同人誌のための漫画を描いていたいからだ。「漫画を描きたい」2人が結婚すれば「親からの圧もなくなり、漫画だけに集中できるはず!」と、お互いの利害関係が一致したことで結婚を決めた。 本作は、制作の段階から「男女が結ばれた先の関係の維持を描く!」というテーマがあったという。「経緯としては、そこから『ほぼ強制的に関係性ができたほうが、よりおもしろいのではないか?』という話になって『お見合い交際0日婚をする男女で描こう!』となって、これを肉付けしていったら『オタ婚のススメ!』になっていった感じです」と、砂履シンシャさんは経緯を話す。 主人公2人については、「結婚を意識するような年齢を迎えている世代が抱える悩みや欲求を表現できるキャラを意識して設定しました」とか。「自分がそういう年齢だからこその肌感覚とはいえるのですが、まわりの友人の話を聞くと『年齢的に結婚を意識して、何かしなくてはいけないのではないか?』といった危機感はあれど、人と一緒になって今までの自分の趣味を邪魔されたり、やりたいことを阻まれるのは無理だから、やっぱり結婚したくない。だけど、孤独も同時に感じる…。という意見が多いことに気がつき、『じゃあ、どっちも満たせる関係性を漫画で描こう!』と思ったので、結婚を意識するような年齢でかつ、趣味をとても大事にして生きてきた男女にしました(砂履シンシャ)」 本作は、漫画家特有の専門用語やオタ活シーンなど、熱量が高いシーンも見どころ。砂履さんが作画でこだわったのは、「1ページ目の複写式の婚姻届をもらって、『いらね~』と思ってる2人です。結婚してラブラブな2人ではなく、ある程度の距離感があることを示したくて、最初でそれを伝えられるよう試行錯誤したので印象に残ってます」と、話す。 結婚したものの、ルームシェアと変わらないような快適な暮らし。そこに「結婚指輪」問題が浮上する。涼太は、EC サイトでポチっと購入すればいいかと考えていた。しかし、女性にとって結婚指輪は一生もの。「明美に意見を聞いて購入するべきだ」と話し合いをすると、彼女の異常なこだわりを知ることになる。 取材協力:砂履シンシャ(@shisenraran)