中国「LiDAR」大手の禾賽科技、販売急増でも楽観できない事情 営業CF黒字化の裏で高まる値下げ圧力
BYDの新型車のうち何車種が禾賽科技製のLiDARを採用するかについて、両社は開示していない。だが中国市場におけるBYDの存在感を考えれば、禾賽科技にまとまった規模の受注をもたらすのは確実だろう。 ■LiDAR業界に早くも淘汰の波 それでも、禾賽科技の将来を楽観するのは早計だ。決算報告書によれば、2023年の粗利率は35.2%と前年(39.2%)より低下した。その主因は、利幅が相対的に小さいADAS向けLiDARの販売比率が増えたことだ。
さらに、2023年に始まった中国自動車市場の価格競争の激化で、部品サプライヤーに対して値下げを求める完成車メーカーの圧力が高まっている。LiDARも例外ではなく、禾賽科技は(大口契約を獲得するために)販売マージンの縮小を余儀なくされた。 「LiDAR業界は残酷な淘汰の波にさらされている。生き残るための経営力を欠く企業は、2年以内に消滅する可能性が高い」。禾賽科技の李一帆CEO(最高経営責任者)は決算説明会で、そう危機感をあらわにした。
(財新記者:戚展寧) ※原文の配信は3月12日
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