明治安田生命の中計が大転換、「生命保険会社の役割を超える」ワケ
大手生命保険会社4社が注力する非保険領域「3つのポイント」
この連載ではこれまで大手生命保険会社4社の中期経営計画について主に国内事業の動向を記載してきた。 日本生命や第一生命がPMI(Post Merger Integration、買収後の経営統合作業)を実施するなか、住友生命は大手2社と比較した場合、より踏み込んで組込型保険の本格展開に向けた取り組みを始めている。 そうしたなか、明治安田生命は、健康なときから未病、発症後の治療や予後に至るまで一貫してサポートすべく、国立研究機関や大学、民間事業者と連携しながらエコシステムの構築、拡充に向けて取組みを加速している状況にある。それに伴いブランド通称も「生命」を外し、新しいビジネスモデルの構築に向けて模索を始めている。 こうしてみてみると、各社で非保険に対する向き合い方や進捗度合いにおいて違いが明確になってきている。 特に(1)プラットフォーム(住友生命の健康増進型保険「Vitality」や福利厚生サービス基盤など)の構築とその上に載るサービスの充実に向けた動向、(2)収集したデータを活用したパーソナライズ化に向けた動向、(3)保険と非保険サービスとのスムーズな連携といった点がポイントになってくるものとみる。 生命保険会社が非保険領域でいかに差別化を図るか? その競争が激しさを増していることは明白である。
執筆:矢野経済研究所 ICT・金融ユニット 主任研究員 山口 泰裕