中学受験のプロが断言「わが子に“合う”学校などない」の真意とは? 中学受験スタート前に、親が知っておくべきこと
秋は入塾の問い合わせが急増する時期!
中学受験専門塾『スタジオキャンパス』を営む矢野耕平先生によれば、秋は来春からの塾通いを検討している保護者からの問い合わせが一気に増える時期だそう。塾に通うこと=中学受験の世界に足を踏み入れること……そんなふうに考えがちなため、秋になったタイミングで、わが子の中学受験をするか否か思い悩む保護者が多いと矢野先生は言います。中学受験の最終目標はもちろん「志望校合格」であり、中高六年間の一貫教育の恩恵を授かること。じつは中学受験においては、受験をスタートさせる前の“親の価値観”が大変大きな意味を持つというのですが、一体どういうことでしょうか。矢野先生にご寄稿いただきました。 【本番まであと数ヵ月】やり直せるならこうする!中学受験生ママ的「小学6年生までにやるべきことリスト」
理想を掲げるのは大切だけれど
わたしの経営する中学受験専門塾に限った話ではないのでしょうが、例年10月~12月はまさにお問い合わせラッシュの時期となります。来春からの塾通い、そして、わが子の受験勉強をスタートさせようと考えている小学生の保護者がこのタイミングで一気に動くのですね。 さて、皆さんはわが子をなぜ中学受験させようと思うのでしょうか? 「少しでも高い偏差値レベルの学校に通わせたほうが、一流大学への近道になるのではないか? わが子にはその手の学校に進学してほしい」 「親は昔から名門の○○中学校に憧れていた。わが子をそこにどうしても入れたい」 こんなふうに理想を掲げて、わが子の中学受験を検討される保護者が多いように感じます。大きな目標を抱いて、親子でそこを目指すのはもちろん悪いことではありません。しかしながら、いまの首都圏中学受験の状況を見ると、第1志望校に合格できる子より、そうでない子の割合のほうが圧倒的に高いのですね。ですから、「○○中学校でなければ中学受験をする意味はない」というのは少々短絡的な見方ともいえるのです。こんなことを言われると、「そんな数値的な基準だけで考えていない。わが子に『合う』学校を見つけられればよれでよい」と口にされる保護者もいるでしょう。 結論から申し上げます。「わが子に『合う』学校」などというのは最初から用意されているわけではないのです。