【オーストラリア】〔政治スポットライト〕米同盟国は豪首相の自律性見習え=中国紙
中国の国営英字紙チャイナデーリーは、ペルーの首都リマで16日(現地時間)まで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の直前に、「地政学的不確実性が高まる中、先進各国はオーストラリアのアルバニージー首相の戦略的自律性を見習うべきだ」とする論説を掲載した。 チャイナデーリーは、米国のトランプ次期大統領の通商政策を受け、先進国は米国と中国とのそれぞれの関係の間で微妙なバランスを求められると指摘した。その上で、「オーストラリアの対中関係は前政権時に悪化したが、アルバニージー政権は関係の重要性を再認識し修復に動いた。その戦略的自律性は、豪中関係が両国の利益に合致していることを示した」とし、中国との経済関係を強調する姿勢を「他の米国同盟国が模範とするに値する」とした。 アルバニージー首相はAPECでは、インドネシアのプラボウォ大統領やペルーのボルアルテ大統領らと個別会談を行った。プラボウォ大統領は、「中国との地域的な緊張を緩和しようと努めている」と話したようだ。 アルバニージー首相は18日からは、ブラジルのリオデジャネイロで開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加する。中国の習近平国家主席と会談する可能性があるとみられている。 ■労働党、パレスチナ支持に立場変更 オーストラリアは、パレスチナの主権を巡る国連の先の決議で、これまでの反対立場を変え支持票を投じた。18年前の戦時中のレバノンへの原油流出を巡りイスラエルに補償を求める決議でも支持票を投じた。 オーストラリアはこれまで米国の立場に沿う形で超党派により親イスラエルの姿勢を維持してきたが、これを覆した。イスラエル支持姿勢を強めるとみられるトランプ次期米政権との衝突も懸念されている。