センバツ2023 リズム整え、プレー生かす 彦根総合、部活動後に校内塾 /滋賀
◇気持ち切り替え、集中力アップ センバツ出場が決まった彦根総合は、部活動後に部員たちがそろって勉強をする「校内塾」の取り組みを進めている。スポーツだけに打ち込むのではなく、毎日机に向かう習慣を付けることで、気持ちの切り替えがスムーズにできたり集中力が上がったりするなど野球にも好効果が表れている。【飯塚りりん】 校内塾は、同校が強化に力を入れる野球、サッカー、ハンドボール、バドミントンの各部に所属する生徒を対象に開講している。時間は夕食後の午後8時から9時半までで、週4回、国語・数学・英語を1日1教科ずつ学習。教員が講師を務め、授業するほか自習をする日もある。塾への出席は任意で、学校の成績には一切関わらないが、部員らの出席率はほぼ100%だ。 ◇社会生きる力に 校内塾は野球部の宮崎裕也監督(61)が考案し、2021年に同部内で開始。昨年4月に他の部にも拡大した。宮崎監督が校内塾を始めた狙いは学力向上だけではない。「練習、食事、校内塾の1セットを毎日繰り返すことで、時間の使い方や気持ちの切り替えを体が覚えていく。それが野球やその後の人生でも役立つ」と話す。選手たちは練習後、寮で仲間と食事を取るなどして休憩するが、時間になると教室で着席し、勉強を始める。休憩の隙間(すきま)を筋力トレーニングや素振りに充てて限られた時間を有効に使う選手も多く、宮崎監督が期待する選手たちの変化が生まれつつある。 坂元幸大選手(2年)は「長時間、机に座ること自体が苦手だったが、勉強する習慣が付いた。集中力の面でも野球にもつながっている」と喜ぶ。 宮崎監督は「自分が若い頃は一晩中でもノックしていたが、それが正解だったかは今でも分からない。彼らには高校にいる間に社会に出てからも必要となる力を付けてあげたい」と話す。