「全メジャーで勝つことが夢」笹生優花が“キャリア・グランドスラム”に意欲 来季大所帯の米ツアーには「すごく良いこと」と歓迎
6月の海外メジャー・全米女子オープンで21年大会以来、3年ぶりの大会2勝目を飾った笹生優花(23)=アース製薬=が12日、都内のホテルで同大会の優勝を記念した記者会見に登場した。 偉業から約半年がたったが、歓喜の瞬間はよく覚えている。「楽しい一週間でもあったし、良い思い出もたくさんできた」。21年大会はフィリピン国籍での優勝で、大会史上最年少の19歳で制覇。ハタチにも満たない若さで世界最高峰の大会で頂点に立った当時を「急だったというか、早すぎたというか…。あまりプロとしての経験もあまりなかったですし、早いなという感じ」と振り返ったが、そこから3年の経験を積んで再び手にした大会2勝目には「3年前と比べて経験も積んだし、ゴルフの内容も少し違っていた。そこがちょっと(3年前との)差ですかねえ。うれしいことには変わりないですけど」と実感がこもっていた。 海外メジャーの複数回優勝は男女を通じて日本勢初の快挙。まだ23歳の笹生は「全メジャーで勝ちたいという夢がある」とさらに大きな青写真を描く。女子の海外メジャーは男子と異なり、時代によって試合数も異なるが、キャリアでメジャーを全て制覇する“キャリア・グランドスラム”は過去6人の達成者がいる。03年の全英女子オープン優勝でグランドスラムを達成したアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)以降、20年以上も達成者が現れておらず、最大の偉業達成に向けて意欲を示した笹生は「そんなに簡単に勝てない。まだまだ練習が必要」と謙虚に語った。 米女子ツアーは来季から10月のTOTOジャパンクラシックを優勝した竹田麗央や最終予選会を突破した山下美夢有ら、新たに5人がツアーメンバーに加わり、日本勢は13人の大所帯になる。母国の一つである日本の戦友が増えることには「すごく良いこと」と歓迎。「日本人選手でも、他のアジアの選手でも世界でトップのLPGAで戦っていけることはすごく楽しいことだと思うので、みんなでゴルフ界をどんどん盛り上げていければ」と話した。