「守るものは何もない。法政さんとの試合に全部突っ込む」 関東王者に挑む中京大学、元オービック・大橋誠HCが求める覚悟
ティーチングとコーチングを織り交ぜることで成長率が変わる
――選手権で関東、関西勢と当たるのは、いまの4年生が1年生のとき以来です。そこへの心意気はどうですか。 年間を通じてどこを見てやるのかっていうことに関しては「チャンスがある以上は甲子園やろ」と言ってきましたし、選手たちもそう言ってます。中には全然イメージない中でとりあえずそう言ってるみたいな選手もいるとは思います。ただ少し違ってきてるのは、去年の冬から中大さん、立教さん、京大さん、桃山学院さんなんかと合同練習をして、関東関西の1部でやってるヤツらがどれぐらいのもんなのか、彼らよりも強いチームとやるのはどういうことなのか。ちょっと肌感は持てたチームなのかなと思います。まあ、でもきっと、来週はガッチガチだと思いますよ(笑)。ウチは何も守るものがなくて、向こうは「負けるなんてあり得ない」と思って戦いに来るはずですし、僕らとの試合で疲弊して関学さんと当たるのは嫌だと思っているはずです。そんな中で僕らは一戦必勝なので。関学さんと試合ができることになったときに上級生は削れちゃって下級生しか残っていないような状況になったとしても、法政さんとの試合に全部突っ込むという話はしてるので、その覚悟がどう出るかは楽しみにしています。もともと社会人でもド弱小のチームからやってきたので、こういうのはなんか楽しいですよ。 ――学生を教える楽しさをどんなところに感じていますか。 ティーチング、コーチングを織り交ぜながらやっていくことで成長率がパーンと変わる。社会人はやっぱりコーチなんですよね。どう気づいてもらうかという関わり方で。とくに以前いたオービックシーガルズみたいなチームはいい選手がちゃんと来てくれるチームになってたので、何かを教えるというよりは何かに気づいてもらう、一緒に考えるというのが僕の役割でした。いまは教えてそれを浸透させる、その上で気づいてもらうというようなサイクルで会話していくケースが多いので、変わるヤツは劇的に変わる。そこに醍醐味(だいごみ)があります。あとは、ほぼ毎日接しているってことがあります。だんだんしんどくなってきましたけど(笑)。いまのところはそれが楽しさかなと思っています。