「守るものは何もない。法政さんとの試合に全部突っ込む」 関東王者に挑む中京大学、元オービック・大橋誠HCが求める覚悟
チーム発足当初はミーティングを中心に
中京大・松元奏キャプテンの話 ――今日は独走もありましたが、もともとパワーランナーだったんですか。 もともとは逆で、スピードを武器にやってたんですけど、ランニングバックってインチを取るときとか、パワーが必要な部分が出てくると思うので、今年は体重を5、6kg増やしました。体重を乗せて、スピードは維持してという走りを今年は意識してきました。 ――自分たちのチームに大橋さんが来る、となったときはどう感じましたか。 ビックリしましたね。トップの人じゃないですか。なんで!?ってなりましたね(笑)。いろんな縁があって来てくださって、それから練習内容も考え方も変わりました。それを土台としてチーム作りもやってきたので、ほんとにすべてがプラスに働いてると思います。 ――意識の面で一番変わったのはどんなことですか。 フットボールにかけること、時間だったりお金だったり。いろんなことをフットボールにかけることで譲れなくなる。負けたくないという気持ちが芽生える。気持ちの面ではそこが一番変わりました。それと、チームが始まったばっかりのときは練習せずにミーティング中心で、チームがどう進んでいくかを話し合う時間があったので、選手発で「こういうことをしていこう」という話をするようになったところですね。 ――大橋さんからキャプテンに指名されてどう思いましたか。 正直、3年のころから「自分だろうな」と思ってたんですけど、まだまだキャプテンにはふさわしくない人間だったので、自分もかなり努力して頑張らないといけない状況だったから、腹をくくって新チームに入りました。 ――チームの目標はどこに置いたんですか。 甲子園ボウル出場というのは去年からだったんですけど、東海も制覇できずに悔しい思いをして新チームが始まりました。目標は変えず、引き続き甲子園ボウル出場としました。 ――そのためには関東、関西勢に勝たないといけません。経験として1年生のときに立命館と試合をしていますけど、そのときの感覚からしてどれぐらい難しいものですか。 1年生のときは少しだけ出たんですけど、まったく通用しなくて。スコア(7-49で敗戦)的にもまだまだ足元にも及ばないっていう状況だったんですけど、2年になり3年になり、フットボールのことも知りつつ、関東と関西の状況も知ると、勝てない相手ではないなと。いまの学生フットボールは関東、関西がメインで、それ以外はあまり日の目を浴びない。僕はそれを変えたくて、甲子園ボウル出場という目標に決めました。 ――大橋さんが言うには松元君がだいぶ他人のことを考えるようになったと。 下級生のころはとにかく自分中心で、「自分が活躍すればいいでしょ」と思ってました。でもやっぱり「甲子園ボウルに行きたい」という意志は自分が一番強いと思ってて、チームで一つになってやらないといけないので、チームに自分の気持ちを伝えて、信頼してもらって甲子園ボウルへ行くという声かけはずっとやってきました。 ――ともに引っ張ってくれた部員というと誰ですか。 最初は4年生の意識を変えることに結構苦労しました。自分たちの代はちょっと自己中のヤツが多いというか、先輩についていく後輩タイプが多かったので、4年になったときに「自分たちが引っ張っていこう」という人は少なかったんです。だから下級生に声をかけるよりもまずは4年の俺らが姿勢で見せて、言葉をかけてやっていこうってのは、初めから意識してきたポイントです。