熊本、鹿児島で再び土砂災害の危険度高まる 8日にかけては広い範囲で大雨の可能性も
熊本県南部を中心に甚大な被害をもたらした梅雨前線が依然として西日本から東日本に停滞している。今後、梅雨前線は北上する見込みで、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になる見込みで、8日にかけて広い範囲でかなりの降水量が見込まれる。 特にすでに記録的な豪雨に見舞われている熊本、鹿児島県では5日夜から6日午前にかけて、わずかな雨量でも土砂災害や浸水被害などが発生するおそれがある。気象庁の杉本悟史主任予報官は「熊本県では、まだしばらく雨が続く予報。厳重に警戒してほしい」と呼び掛けている。 さらに、現在、九州南部から西日本、東日本の南岸に停滞している梅雨前線は、太平洋高気圧が強まるにつれて、北上し、8日ごろにかけて日本海側に停滞する見込みだ。このため、今後、九州南部だけでなく、九州北部や四国、東海地方などでも警報級の大雨となる可能性が高い。 7日正午までの48時間雨量は多いところで、九州南部、九州北部、四国、東海で400~450ミリ、関東甲信、近畿で300ミリに達する見込み。 また、3日から4日にかけて、熊本県を流れる球磨川流域に記録的な豪雨をもたらした、同じような場所で積乱雲が次々と発達する「線状降水帯」が、再び形成される可能性もある。ただ、「線状降水帯」はスケールが小さい現象のため、いつどこで形成されるかを予測することは、現在の予報技術では困難だ。 このため、早い段階で自分の住んでいる地域が安全かどうかをハザードマップなどで確認し、安全確保の行動を取ることが大切になる。特に斜面やがけの近く、河川の近くの場合は、指定された避難場所や安全な親戚・知人宅などへ移動することも考えておく必要がある。 すでに被害を受けている地域はもちろんのこと、他の地域に住む人も、もう一度、いまのうちにもしもの事態に備えておくことが、自分や大切な人の命を守るうえで大切だ。