賃金のデジタル払い、9割が「導入予定なし」 ~業務負担増やセキュリティ不安がネックに~
今後は情報周知のほか、セキュリティの強化や、店舗などでのデジタル払いの導入と消費者のデジタル払いの利用を促す政策の強化が求められる
本アンケートの結果、賃金のデジタル払いを導入する予定がない企業は9割近くにのぼった。業務負担の増加や、制度・サービスに対する理解が十分でないこと、セキュリティ上のリスクへの懸念などが導入を妨げる要因となった。また、手間がかかる一方で必要性やメリットを感じない、そもそもデジタル払いに対応する店舗や施設が少ない、従業員から要望がないなどといった意見も聞かれた。 賃金のデジタル払いで支給された給与は現金化ができるようになっているが、企業からは“現金化ができないため不便”といったコメントがあがっていた。ほかにも、取り扱い事業者が破綻した場合は保証機関から弁済されることが決まっているものの、“何か起きた時に誰が責任をとるのか不安”といった声が聞かれるなど、情報が行き届いていない様子もうかがえた。 企業からの声をまとめると、キャッシュレス社会実現への取り組みである「賃金のデジタル払い」の普及に向けた課題は多く残っていることが分かった。利用拡大のためには、制度・サービスに関するきめ細かい情報周知のほか、セキュリティの強化とその情報共有、店舗などでのデジタル払いの導入と消費者のデジタル払いの利用を促す政策の強化が求められよう。
【調査概要】 有効回答企業:1479社 アンケート期間:2024年10月4日~10日