桐谷美玲「あの日、通りすがりのお母さんが疲弊した私の心を救ってくれた」育児と仕事のリアルな日々
4歳の息子さんを育てながらモデル業を続け、今年の春から新たに「news every.」のキャスターにも就任した桐谷美玲さん。時間の使い方や、多忙な毎日をヘルシーに過ごす方法とは? 日々の生活のこと、仕事のこと、聞いてみました。 桐谷美玲さんインタビューフォトギャラリー
桐谷美玲さんの仕事がある日のスケジュールは?
7:00…起床、子どもの保育園の支度 準備ができたら保育園に送る 9:00…掃除、犬の散歩、夕食づくり 10:00…仕事へ 夕方保育園のお迎え 19:00…夕食、子どものお風呂や寝かしつけ 21:00…自由時間 23:00…就寝 「忙しい毎日のご褒美は息子が寝たあとの自由時間。映画を見たり、ゲームをしたり、最近は大好きなアニメ『名探偵コナン』を1話ずつ見返しています。そのときはたいてい隣に夫が。自由時間は大切な“夫婦時間”にもなっているんです」
【インタビュー】桐谷美玲さんの働き方と育児 自分らしいバランスとは
■「朝からなにひとつ思いどおりに進まない。育児は本当に毎日が戦争(笑)」 「息子が通っている保育園は給食が出るので、お弁当をつくらなくていい分、朝は時間に余裕があるはずなのに。気がつけば、いつもギリギリのバッタバタ。不思議なくらい、なにひとつスムーズに進まないんです(笑)」 正直、育児と仕事の両立は大変。「毎日が戦争です」と笑う美玲さん。 「最近は保育園でのお昼寝の時間がなくなったので、帰宅した息子に“ちょっと待っててね”のすき間時間を与えると寝てしまうことがあるんです。すると就寝タイムが後ろ倒しになり、深夜まで遊びにつきあわされることに……。 そんな隙をつくらないためにも、仕事がある日は夕食の準備をしてから現場へ。帰宅後は食事からベッドまで1秒も無駄のない段取りを組んでつき進むので、息子が寝る頃にはもう私はヘトヘトになっています(笑)」 産後、仕事復帰をするときに心に決めたことがひとつ。それは育児優先で働くこと。息子さんが4歳になった今もそれは変わらないが、「仕事もちゃんと楽しめています」とほほえむ。今年の春からは「news every.」のキャスターにも就任。仕事の幅を広げながら、忙しい毎日を送っている 「20代の頃に初めてキャスターに挑戦した『NEWS ZERO』が私に報道の仕事の楽しさを教えてくれました。番組を卒業するときに口にした“いつかまた、報道に携われるように頑張ります”という言葉をスタッフさんがずっと覚えてくれていて。 今度は『news every.』で一緒にやらないかと声をかけてくれたんです。私は迷わず“はい!”と即答。日々の忙殺度が上がるのは明らかでしたが、それでもやっぱり嬉しかったし、絶対やりたかった」。仕事は“自分軸”でいられる貴重な時間でもあるという。 ■「育児をしている今、唯一“自分中心で動ける時間”が仕事だからより仕事が好きになった」 「仕事は好きだし楽しいです。特に育児をしている今は唯一“自分中心で動ける時間”なので。体力的に大変でも、働くことがリフレッシュにつながっています。 でも、私が働けているのは周りの助けあってこそなんですよね。もともと子ども好きな夫は育児も楽しんでやるタイプ。息子もお風呂や公園遊びは“パパがいい”なんです。私たち夫婦は休日や勤務時間が流動的なので、家事は特に分担を決めずに“できるほうができるときにやる”スタイル。 “今日は休みだからお迎えに行くね”“今日は仕事が遅いから昼間に掃除をやっておくね”、普段はそれでうまく回っているけれど、大変なのはやっぱり息子が熱を出したとき。 保育園に入園したばかりの頃は二週間に一度のペースで発熱。子どもって本当によく熱を出すんです。でも、私たちの仕事は、誰かに代わりをお願いすることができないので……。そんなときは、スーパー助っ人である両家の両親にすぐ連絡。母と義母には本当に感謝しきれないほど助けてもらっています」 ■「一人で頑張ろうとしない。夫や家族など、周りを頼るのは大切なこと」 仕事も子どもも諦めたくはないけれど両立する自信がない。働く30代が抱える不安を伝えると「わかる! 私も不安だったもん」と大きく頷き「でも、大丈夫。一人じゃないから!」と続けた。 「育児が不安なのはきっとみんな同じ。でも、やるしかないからやるし、やるからできるようになっていくんだよね。自分の思いどおりにならない、予定どおりに進まない、そんな毎日の中で私が学んだのは“完璧なんて無理”ということ。 疲れているならサボれることはサボっていい。掃除なんかしなくても死なないんだから、掃除機をかけない日があってもいいんです(笑)」 また「自分だけで頑張ろうとしない、周りを頼るのも大切なこと」だそう。 「今でも忘れられないのが息子のイヤイヤ期。道に座り込んで動かなくなってしまった息子を抱き上げたくても、荷物と愛犬を抱えていた私はそれができない。こっちこそ泣きたいよ、と途方に暮れていたときに、通りすがりのお母さんが“大丈夫?”と声をかけてくれて。“疲れちゃったね、もうちょっとだから頑張ろうね”と息子を立たせてくれたんです。それが本当に、涙が出そうになるくらい嬉しかったの」 ■「あの日、通りすがりのお母さんが疲弊した私の心を救ってくれた」 今まで何度も周りのお母さんたちに救われ、助けられたそう。自分が母になるまで知らなかった、その優しさや思いやりに触れて「私も街で困っているお母さんを見かけたら声をかけるようになりました」と語る。 「ママたちはみんな同じ大変さを経験している同志なんですよね。そして、その同志は学生時代の友達にも、保育園のママ友にも、仕事場にだっているんです。自分だけで戦わなきゃと思うと怖いし不安になるけど、そうじゃないんだよって読者の皆さんに伝えたいな。 あと、大変なこともあるけど、子どもはやっぱり可愛い。それはもう“ママ大好き”のひと言を聞くと日々のイライラが吹き飛んでしまうほど。まあ、その数秒後にはまた息子を叱りつけている私がいるんですけどね(笑)」 シャツ¥23100・スカート¥27500/カデュネ プレスルーム(カデュネ) 靴¥59400/アマン(パロマ バルセロ) モデル・キャスター 桐谷美玲 きりたに みれい●1989年12月16日生まれ。2018年に俳優の三浦翔平さんと結婚。2020年に第一子を出産。モデル、俳優としての活動はもちろん、今春から「news every.」の水・木曜日のキャスターに就任したことが話題に。 撮影/大塚三鈴 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載