「習い事も進路も子どもたちに寄り添いたい」美ボディコンテストに挑んだ親子、深い愛情からできた相互信頼の形【浅岡ファミリー(後編)】
「相手のことをよく見て、必要があれば話して、よく知ることなのかなと思っています。週に1回くらい声をかけたり、進捗を確認したほうがいいのか、しばらく任せて向こうから相談してきたら応じるようにするのか…とか場合によって変えています。もちろん、全部完璧に見るのは難しいですから」 娘・那奈さんのことは「家ではにぎやかですけど、外では静かな内弁慶タイプ」、兄のことは「家でも学校でもあまり変わらない、リーダータイプのしっかり者」と話す。ふたりとも意志が強いタイプなので、基本的には信頼して任せる。学校での出来事もこちらから干渉せず、向こうから話してきたら聞くようにしているようだ。その中でも「嘘をついたら叱る」など締めどころを大事にし、正しい方向に導くことも忘れない。 「何か毎日『どうだった?』って聞かれるのも嫌じゃないですか(笑)」と話す裕美さん。日頃から接する相手をよく見ているからこそ、安心して任せるラインを引くことができるのだろう。
そんな母に那奈さんは、「優しくて面白いところが好き」と笑顔を見せる。母の視野の広さを受け継いだか、娘から無理な要求をすることもあまりないのだと言う。仕事が忙しそうなときは自分で判断してできるところまで進め、後で相談するなど、状況をよく把握できる子どもに成長している。 「これから進路選択もありますけど、子どもの人生なので、自分自身で考えて進んでほしいですね。そこで必要になった時に、サポートする準備はしておこうと思っています。お兄ちゃんは高校進学に向けて、こういう高校に行きたいという話題が少し出て、まだ漠然としているようだったので、『そうなんだぁ』に留め、まだ深くは聞いていません。那奈はこれから吹奏楽をがんばりたいみたいなので、応援したいですね。私自身も親に自由にやらせてもらってきて、よかったと思っているので、これからも子どもたちの意思を尊重していきたいです」 親の愛情が子の自立を後押しし、相互的な信頼関係を形成している。わかりそうでわからない「自然な仲のよさ」の秘訣を紐解いていくと、そこには放任とは違う「信じて任せること」の大切さがあった。
取材・文・写真(大会)/森本雄大 写真提供/浅岡裕美