日産、ゴーン事件の調査結果を発表(全文1)会社の被害総額は350億円規模
誰が何のために行使日をずらしたのか
毎日新聞:毎日新聞の今沢と申します。今のSARについてなんですけれども、じゃあ本人は知らなかった、それから指示していないということなんですけれども、じゃあ、誰がなんのためにやったんでしょうか。 永井:SARっていうのはご承知のとおり、2003年でしたかね、から導入されているものでございまして、その間ずっと、ほとんど行使ができない状態が続いていたわけでありますけれども、たまたまその行使期限が近づいているところで、そのオペレーションについて秘書に委ねたということでございまして、結果としては行使日をずらしたというのは事務的な錯誤といいますか、行使、オペレーションした日がたまたま基準価格を下回っているので、その場合にはマイナスになるということで、それを、行使日を少しずらしたということでございます。事務的な錯誤と理解しております。 毎日新聞:ちょっとおっしゃられている意味が分からないんですけれども、つまり最初に設定した日は行使しても利益をもらえなかったという、そういうご説明ですか。 永井:それはあれですか、CEOの件ですか。 毎日新聞:CEOの。 永井:CEOにつきましては、調査報告の中でも出てるんですが、ボーナスについて、これはご承知のとおり、元会長が全部決められるんですけれども、それについてもう少し手当ができないかということを言っておりまして、その結果、元代取の秘書室担当のグレッグ・ケリー氏がいろいろ考えて、SARを、それは要するにグレッグ・ケリーとして、そこの部分はルール違反をしているわけですけれども、行使日を動かしたと、それが事実でございます。
西川氏は全然知らなかったのか
毎日新聞:というか、今、西川さんのことを。西川さんがもらった2013年5月の14日から22日と、そういうふうにケリー氏は言っているわけですけれども、そのことについて聞いているわけですけれども、それは誰が、西川さんは全然知らないでやったということなんですか。 永井:西川さんは、ヒアリングの中でもご説明されていますけれども、グレッグ・ケリーがそういうことをした、依頼はしたことはない。それからグレッグ・ケリーがそうしたことについては2カ月後ぐらいに報告があったということですけれども、そこにおいても行使日をずらしたというご認識はないということでございました。 毎日新聞:つまり行使するときに、自分がおそらくメールをしたり、サインをしたりする必要があった。だけど、そういうことをしていないということですか。 永井:おっしゃるとおりです。 毎日新聞:ケリー氏の発言によると、西川氏が初めて、要するに、日産史上で初めてそういう行使日をずらしたっていうふうに証言しているわけですけれども、『文藝春秋』に。それは事実なんですか。 永井:それはちょっと言い方の問題で、違うと思います。 毎日新聞:言い方の問題でなければ。 司会:すみません、もう2問なのでちょっと、いったん抑えてください。次の方。左側の方。