ジェットブルーに200万ドルの罰金、米運輸省が慢性的な遅延を批判
(ブルームバーグ): 米格安航空会社ジェットブルー・エアウェイズは、一部のフライトが日常的に遅延し、非現実的なスケジュールを設定したとして、米運輸省から200万ドル(約3億1400万円)の罰金を科された。このような事例としては、同省初の措置。
バイデン政権は、消費者保護の問題に関し、航空会社に対して強硬な姿勢を取ってきた。その取り組みには、フライトがキャンセルまたは大幅変更となった場合の自動的な払い戻しを義務づける規定や車いす利用者の保護に向けた新たな規則、人権侵害などの問題を扱うその他の執行措置などがある。
ブティジェッジ運輸長官は3日の声明で、「違法な慢性的フライト遅延は、飛行機の利用を信頼できないものにする」と指摘。航空業界に対して「現実を反映したフライトスケジュールを期待する」と述べた。
実際の出発・到着時間を反映していないスケジュールの提示は不公平かつ欺瞞(ぎまん)的な商慣行だと、運輸省は批判した。米国の規定によると、「慢性的なフライト遅延」とは、月に少なくとも10回運航され、50%以上の確率で30分以上の遅延が発生する便と定義されている。
米政府はジェットブルーが2022年6月から2023年11月の間に少なくとも4便が少なくとも145回、このような遅延を発生させ、何千人もの乗客に影響を与えたと指摘した。運輸統計局によると、遅延の70%余りにおいて同社に非があると推計された。
ジェットブルー航空は3日の声明で、過去2年間、「数千万ドルを投資してフライトの遅延を減らす努力をしてきた」と説明。特に航空管制の問題に関連する遅延の削減に重点的に取り組んできたと主張した。問題となった4便について運輸省と和解することには同意するが、「信頼性の高い航空輸送に対する責任は、米国の航空管制システムを運営する米政府にも等しくある」と述べた。
顧客への補償
運輸省によると、同社に科された200万ドルの罰金の半分は、フライトの乱れにより影響を受けた顧客への補償に充てられる予定。