楽天の田中将大の退団問題に「メジャーから復帰時に高額契約したことが間違い」「三木谷オーナーの先見性に疑問」「ヤクルト以外に動く球団はない」と球界大御所がモノ申す
広岡氏が指摘するように、レッドソックスなどで活躍した松坂大輔は、ソフトバンクと推定3年12億円の契約で復帰したが、故障に苦しみ3年で1試合しか投げずに退団し物議を醸した。その後、移籍した中日で6勝をマークするなど復活を遂げたが、最後は、古巣の西武に移籍してユニホームを脱いでいる。 だが、一方でメジャーから日本復帰後に結果を残した選手がいないわけではない。投手では今季14勝7敗で最多勝を獲得して、ソフトバンクのリーグ優勝に貢献した有原航平もレンジャーズから復帰して2年目の右腕。復帰1年目も2桁勝利をマークしている。他にもレンジャーズから阪神の伊良部秀輝(13勝8敗)、メッツからヤクルトの石井一久(11勝7敗)、ヤンキースから広島の黒田博樹(11勝8敗)らも2桁勝利をマークしている。 また野手では、現日ハム監督の新庄剛志が2004年に日本ハムで打率.298、24本塁打、79打点の打率の自己ベストを含む好成績をマーク。2006年にはチームを日本一に導いた。マリナーズから阪神に入団した城島健司も復帰1年目だけは、打率.303、28本塁打、91打点の活躍を見せた。しかし、広岡氏が指摘するように、高額な契約に見合う成績を残せた復帰組はそう多くはない。 横浜DeNAの筒香嘉智は、推定年俸3億円の3年契約(3年目は変動)で開幕直後にメジャーから復帰して、ソフトバンクとの日本シリーズでは優秀選手賞に選ばれるなど“下剋上日本一”に貢献したが、シーズンではスタメンを外れる機会も多く、57試合に出場して、打率.188、7本塁打、23打点に終わり、期待されていた結果を残せなかった。 「今オフも多くの選手がメジャーに出ていくが、将来的に日本に帰ってくる際にもなんらかのルールを作っておく必要があるのではないか。そして契約について言えば、出来高払いに大きくシフトした契約にするべきだ」 広岡氏はそう問題提起した。田中の今後の動向に注目が集まる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)
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