野球部に「特製トンボ」贈呈 明石商、用務員らが改良 ポイントは“スパイク状” /兵庫
<センバツ2020> グラウンド整備に欠かせない「トンボ」。T字形をした木の道具を、明石商の用務員らの「製作チーム」が改良し、最新作を野球部に贈った。アイデアのきっかけは、水はけが良いはずの明石商グラウンドのぬかるみ。異変を見逃さないチームの観察眼が生きた。【韓光勲】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 先端の平板部分に長さ8センチのボルト30本を取り付ける。土に触れる部分を「スパイク状」にしたことが最新作のポイントだ。 明石商では2014年春から、用務員によるトンボの手作りが始まり、毎年20~30本を野球部に贈っている。製作チームの顔ぶれは人事異動などで代わることがあり、今のメンバーは3人。19年度に加入した筧幸二さん(54)は主に修理を担当しており「土が硬い冬場は1日で5本を修理する時もある」という。 1月末のある日、阪神甲子園球場(西宮市)と同じ土で、水はけの良さが自慢だったグラウンドが、雨でひどくぬかるんだ。地面に凸凹ができ、硬くなった土を削って耕すようにして、平らにするトンボが必要だと気づいた。くわのような形にすればよいとひらめき、スパイク状に。板とボルトをナットで固定し、耐久性を高める工夫をした。 14日にはグラウンドで、特製トンボ第1号の「贈呈式」があり、来田涼斗主将(2年)が笑顔で受け取った。メンバーの隅田雅也さん(58)は「マウンドや本塁付近など、どこにでも使ってほしい」、久保誠二さん(63)は「これからも野球部のお手伝いをしたい」と語った。 狭間善徳監督は「本当にありがたい。素晴らしいトンボのおかげで怖がらずに守備練習ができる」と感謝している。 〔神戸版〕