中央大ハイペースで独走も「3強」は慌てず…早大ОB武井隆次さんが解説
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は2日、往路のレースが午前8時にスタートした。国学院大、青山学院大、駒沢大の「3強」の前評判が高い中、出場21チームが2日間、217・1キロの箱根路を駆け抜ける。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)のライブ解説でレースを詳報する。(デジタル編集部) 【写真特集】箱根駅伝2025ハイライト
吉居駿恭がスタート直後に飛び出す
最近の1区はスローペースの年とハイペースの年が交互に来ている。今年は当日のメンバー変更で入った中央大の吉居駿恭(しゅんすけ)(3年)がスタート直後に飛び出して独走状態に入った。5キロを13分台で通過する速いペースで、品川駅前で400メートルほどの差をつけている。だが、前評判の高い青山学院大、国学院大、駒沢大の「3強」など優勝候補の学校は後方集団の中で慌てている様子はない。
「昨年のメンバーならともかく、今年の中央大は10区間の最後までこの勢いは続かないだろう」という読みがある。目標はあくまで総合優勝なのだ。ライバル校同士の争いで差がつかなければ良い。2区にはエースがどんと控えている。1区のランナーは残り9人のチームメートの運命も背負っているから勝手な走りもできない。
「貧乏くじを引きたくない」…ランナーの心理
98回大会で駿恭の兄、吉居大和(中大)が現在の1区の区間新記録を作った時には5~6キロあたりで独走態勢になり、2位と40秒の差をつけるなど後続を離して2区にたすきを渡した。トップと10位通過校の差は1分23秒だった。
前回100回大会も1区はハイペースとなったが、鶴見中継所ではトップと10位通過の差が36秒で、後続との差がそこまでは出なかった。それだけ各校のランナーのレベルが上がってきている。ただ、結果的に競り合いで差がつかなかったとしたら……監督としてはここで切り札を使いたくないという気持ちも働く。1区の区間配置には迷うところだ。