気になる小学生のニキビ、治し方は?皮膚科に行くべき?NGな声かけも紹介【医師解説】
思春期に多いニキビですが、出る年齢は人それぞれ。小学生で出る子も少なくありません。 「多くの子ができるものだし、そのうち自然に治るのでは?」と思っていたら要注意。皮膚の病気であるため、適切な治療や予防が欠かせません。ニキビ痕が残ってしまうのも避けたいですよね。 小学生のニキビの原因や治療法、予防法について、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。
小学生のニキビ、原因は?
小学生を含め、思春期のニキビの原因は、皮脂分泌が増加すること。思春期は、皮脂腺が大きくなることに加え、男性ホルモンの分泌が活性化することからも皮脂分泌が多くなります。「男性ホルモンということは男の子だけ?」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、女の子にも分泌されます。また、ニキビは男性ホルモン以外にもさまざまな原因でできます。 皮脂分泌が増加すると、毛穴に皮脂がつまり、ニキビの原因菌となるアクネ菌が増加。皮脂を栄養とするアクネ菌が過剰に増えた結果、毛穴に炎症が起きてニキビとなります。 ニキビの経過は次のとおりです。 ①皮脂分泌が増加し、毛穴がふさがれる:白ニキビ ②皮脂分泌が増加し毛穴が開いている:黒ニキビ ③アクネ菌の増加で毛穴が炎症を起こす:赤ニキビ ④うみがたまる:黄ニキビ 毛穴が炎症を起こしている赤ニキビや黄ニキビは、ニキビ痕も残りやすいため早急に治療を受けることをおすすめします。 【チョコレートや脂っぽい食べ物が原因というのは俗説】 チョコレートや脂っぽい食べ物、甘いものを食べるとニキビができやすいといわれることもありますが、いずれも医学的な根拠はありません。 だからといって、いくらでも食べていいというわけではないので注意が必要。バランスの良い食生活で栄養をしっかりとっておかないと、ホルモンバランスが乱れ、ニキビができやすくなってしまいます。チョコレートや甘いものを食べるときは、適量を適切な時間にとるのが基本です。食事の直前や、寝る前などは避けるようにしましょう。 【小学生のニキビ、どう治す? 皮膚科には行くべき?】 ニキビは皮膚の病気です。ニキビ痕ができてしまうと、なかなか消えないことも多いもの。心理的に傷ついてしまうこともあるため、早く適切に治したい場合は医療機関を受診することがおすすめです。「ニキビだったら、そのうち治るでしょ」とそのままにして、症状が悪化することは避けたいですね。 医療機関で治療する場合は、次のような中からお子さまの症状に合った方法がとられます。 ・毛穴のつまりを取り除く塗り薬などの外用薬 ・アクネ菌を殺菌する抗菌薬の内服や外用薬 ・毛穴をつまらせている皮脂などを押し出して除去 ※自分の指では絶対にニキビをつぶさないこと 自己判断せずに、ニキビの状態や進行度に合った治療法を相談できるといいですね。