「男系男子」のみの天皇は女性差別?国連が皇室典範の改正求め物議 保守派の専門家「内政干渉は許されない」「粗い調査だ」
世界で広がるジェンダー平等の流れの中、国連・女性差別撤廃委員会が10月に出した勧告が物議を醸している。日本でも導入に向けて議論されている「選択的夫婦別姓」の採用や緊急避妊薬の使用(未成年の親同意撤廃)、中絶(配偶者同意撤廃)などが求められる中、SNSでは「国連脱退」とまで話題になったのが、「皇室典範」の改正だ。具体的には「男系男子」のみを皇位継承者と定めている日本の皇室典範に「女性差別撤廃条約の目的と趣旨に反する」と改正が求められた。 【映像】「男系男子」「女系男子」って何?(解説図) これには皇統を守る国民連合の会・会長の葛城奈海氏が国連のあるジュネーブで反論。さらに日本政府も委員会に対して「最終見解に皇位継承にかかる記述がなされたということは大変遺憾。委員会側に対して強く抗議をするとともに削除の申し入れを行った」と抗議した。『ABEMA Prime』では、今回の勧告に対してどのような態度を取るべきか、また「日本国の象徴」である天皇について、葛城氏とともに考えた。
■国連が男系男子の皇位継承を女性差別と指摘
天皇・皇位継承および摂政の設置、皇族の身分などについて定められた皇室典範。その第一条には「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とされている。これに対して国連が改正を求める勧告を出した。8年前に行われた審査でも言及があったが、政府から強く要請したことで最終意見書に記載はされなかったが、今回は記載あり。皇位継承を男系男子に限定することは女性の差別に該当し、差別撤廃・解消のための政策を実施する義務に反しているとし、改正して皇位継承にも男女平等を保障すべきという内容だ。 この勧告に対してジュネーブで35秒の反論スピーチを行ったのが葛城氏だ。「日本の天皇は祭祀王。カトリック教会のローマ教皇、イスラム教の聖職者、チベット仏教のダライラマは男性に限られている。しかし国連はこれを女性差別とは言わない。なぜ日本にだけそのように言うのか。(民族や宗教)はお互いに尊重されるべきで、内政干渉するようなことがあってはならない」。12の団体がスピーチ、さらに44団体が意見書を出したが、その中には逆に「愛子天皇の誕生」を求めるものもあったといい、勧告が出された後もリベラル派による賛成の意見が、国内のメディアでも取り上げられている。 葛城氏は、トータル14分のスピーチ時間のうち12分を「左派の団体が先に取ってしまった」といい、「残る2分を保守の6団体で分けた。6団体のうち2団体が『過去にスピーチしたから、今回初めてのみなさんに』と譲ってくれたから35秒話せた」と、全体的に保守派にはアウェー感が漂っていたと現場の雰囲気を伝えた。また「本来であれば(保守・リベラル)両サイドの意見が出ているのだから、国連が独自に調査をしてちゃんと歴史や伝統も踏まえた上で、勧告を出すなら出せばいいが、一切そういうことはしていない。まさに粗いままの情報で、まさにこれは内政干渉だ」と加えた。