「明愛が2位にいてビックリ」 岩井千怜が姉を振り切って地元V
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 最終日(27日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6650yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆4752人) 【画像】最後のZOZOを制したのはコロンビアのこの方 4mのウィニングパットを沈めてバンザイで大歓声に応えたが、岩井千怜の内心は「はー、やっと終わった」。トップから逃げ切った長い一日に、ようやく肩の力が抜けた。 単独首位で迎えた最終日のフロントナインは、しのいでトップを守る展開だった。スタート1番(パー5)で2オン2パットのバーディ発進としたが、その後はパーオンできないホールが続く。2番はグリーン奥に外して3オン2パットのボギー。3番、5番も2オンできなかったが、しぶとくパーを拾ってチャンスを待った。 流れが変わったのは8番(パー3)。ティショットを左のラフに外したが、15ydのアプローチを2mに寄せてパーを拾って「よし!」とエンジンがかかった。後半は12番(パー3)でボギーを叩いたが、13番で3mを入れてバウンスバック。首位を譲ることなく終盤を迎えたところで、スコアボードを見て驚いた。 「明愛の名前が2位になっていたので、ビックリ」。4位から出た双子の姉・明愛が、16番からの3連続バーディで1打差に迫っていた。それでも動揺したのは一瞬だけ。「とりあえず18番(パー5)はパーか、できればバーディ」と明愛が2打目を直ドラで狙った18番は、セーフティに3Wで刻んで3オン。2パットで沈めるつもりで打った4m前後のバーディパットは、カップに消えてウィニングパットになった。 「ラッキー」とこぶしを握って6バーディ、2ボギー「68」で回って通算16アンダーで逃げ切り優勝。5月「RKB×三井松島レディス」以来の通算7勝目、自身初のシーズン3勝を地元の埼玉県で達成し、最後は姉妹でハグして喜んだ。
次週は日米共催「TOTOジャパンクラシック」(滋賀・瀬田GC 北コース)に出場する。12月には来季の米女子ツアー出場権をかけた最終予選会(12月5~9日/アラバマ州・マグノリアグローブGC)に出場する予定でいるが、TOTO-次第ではそれがスキップできる。 「一番は、TOTOを勝ってQTを受けなくても米国に行けることが、一番の夢であり目標」と2週連続優勝への思いを強くした。 今季はスポットで海外メジャーを含む米ツアー4試合に参戦し、5月メジャー「全米女子オープン」は19位で終えた。「海外でプレーしたい気持ちが強くなった。世界の人に知ってもらいたい」と、2週連続Vで海外進出を目指す。(埼玉県飯能市/谷口愛純)