日本列島縦断おそれの台風24号 過去の類似台風は?
大型で非常に強い台風24号が日本列島を縦断しようとしている。気象庁予報課の足立勇士予報官は「今月初めの台風21号と同じような強さで西日本に上陸する恐れがある。暴風、大雨、高潮など地域によってさまざまな被害が予想されるオールラウンドな台風で、過去に上陸し大きな被害をもたらしたいくつかの台風と比べてもその勢力は見劣りしない」と警戒を呼び掛けている。そこで、今回の台風24号に類似した台風を3つ挙げてもらった。
漁船遭難相次いだ1979年台風20号
気象庁が、まず最初に挙げたのが1979年の台風20号だ。一時、観測史上世界で最も低い気圧となるなど猛烈に発達したこの台風は、非常に強い勢力を保ったまま西日本に接近。和歌山県白浜町付近に上陸し、本州を縦断して東北地方から海上に出た後、北海道東部に再上陸した。ほぼ全国を暴風域に巻き込んだのが特徴で、千葉県館山市で最大瞬間風速50メートルを観測した。死者・行方不明者115人を数え、中でも北海道東部では漁船の遭難が相次ぎ、67人の死者・行方不明者が出た。同課は「今回の台風24号と同じく非常に強い勢力で、日本列島を縦断したコースも似ている」と説明する。
各地に大雨を降らせた2004年台風23号
次いで挙げたのが、2004年の台風23号。高知県土佐清水市付近、室戸市付近、大阪府南部の3カ所に上陸したこの台風の特徴は、四国や大分県で500ミリ、近畿北部、東海、甲信地方で300ミリを超えるなど、広い範囲で大雨が降ったことだ。各地で土砂崩れや浸水害が発生し、浸水は床上・床下合わせて5万棟以上。兵庫県、京都府、香川県を中心に、全国で98人の死者・行方不明者を出した。関東地方で温帯低気圧になったため、コースは今回予想されている日本列島縦断とは少し異なるが、「前線を伴っている点は同じで、西日本に与える影響が似ている」という。
勢力はやや弱いが人的被害を出した2017年台風18号
3つ目は昨年2017年の台風18号だ。宮古島付近を北上し、東シナ海で向きを変え、鹿児島県垂水市に上陸したこの台風は、その後、高知県や兵庫県に再上陸し、佐渡島付近で温帯低気圧になった。ただ、温帯低気圧になった後もほぼ日本列島に沿って北に進み、全国的に大雨や風、竜巻などの突風が発生した。上陸時の勢力は975ヘクトパスカルと、今回の台風24号に比べると弱いが、コースは近い。5人の人的被害が出ている。