ウェアラブルカメラつけた警察官も配置 脅威の芽つむ万博警備を目指す警察当局の本気度
ほかにも、夢洲周辺での認可外のドローン飛行を大阪府条例で規制。主要インフラに対するサイバー攻撃に備えて事業者と訓練を重ねるなど、警戒対象は尽きない。国際情勢も不安定さを増し、板橋氏は「脅威の芽を一つ一つ摘み、『間隙』を生まない警備体制の構築が求められる」と話している。
2025年大阪・関西万博をめぐっては、多くの来場者が会場を訪れるため使う鉄道やバスなどのルートの安全確保も重要な課題となる。
夢洲へのアクセスは、会場最寄りの夢洲駅へ延伸する大阪メトロ中央線を、現行ダイヤより増便する。
終点の桜島駅と会場をシャトルバスで結ぶJR桜島線も同様の計画。シャトルバスも、初めの計画の290便を322便まで増やす。混雑でけが人が出ることを防ぐため、1回当たりの輸送に人が集中することを防ぐ。
これに対し、バス運転手の人手不足が予想され、増便も難しいルートでは、逆に減便し、余裕をもった輸送で安全を確保する。
大阪駅などを発着し阪神高速道路「淀川左岸線」を通るシャトルバスの便数は、初め想定していた1日最大119便から58便に減らし、輸送人員も5200人から2410人に抑える。
難波駅などを発着する「大阪港線ルート」も73便から25便に減らす。桜島駅発のバスは他社からの出向で十分な数の乗務員を確保し、安定した輸送を目指すという。
万博を運営する日本国際博覧会協会の幹部はバス輸送計画の見直しについて「安全面では穴がないよう、しっかり対応していきたい」と話している。
一方、大阪メトロは、駅や車両での安全対策も強化する。
中央線の全駅では、線路への転落などを防ぐ可動式ホーム柵の設置を9月末までに終えた。万博に向け導入した中央線の列車「400系」「30000A系」は、全車両に防犯カメラを設置した。(土屋宏剛、黒川信雄)