「和牛リブロース しん」

小池さん「今回の僕のイチオシはリブロース。ルールがないのがよくて、その日あるものの中で、塩だタレだ、食べたい気分を自由にアレンジしてもらえるのが最高です。強要がなく本当に贅沢！ 炭じゃないと出ない香ばしいタレでいただくまきは、早くもお米を欲します。基本自分好みにいつも焼きたいのですが、店主のベストと思っている焼き方でいただくのも、いつになく新鮮で面白く勉強になります。」

食べ応え満点の「サガリ」

「サガリ」山形県産の黒毛和牛

厚めにカットされたサガリは、真ん中にすじが入っているのが特徴的。量が取れない貴重な部位で「このすじ入りがまた堪らなくおいしい」と、小池さんがマニアックな一面を見せる。

温度計で計測し77℃に温度管理して焼き、仕上げは炭火で。火加減、網、塩の三位一体が揃ってこそ、最高の仕上がりになるそう

小池さん「すじが入っているサガリはしっかりとした食感があり、噛みしめる度に旨みが湧き出し、食べ応えがあります。まずは塩で半分味わって、青森県産のにんにく醤油で味変。ついうなってしまうほどちょうどいい焼き加減と、肉汁と、深い味わいに襲われます。」

脂の甘みに驚く「シマチョウ」

「シマチョウ」

美しい瑞々しさと照りのある、新鮮なホルモンのシマチョウ。前職から付き合いのある山形の黒毛和牛を扱う業者から、高い信頼関係で最高の状態の肉を仕入れられるルートがあるのも強み。脂に染み込ませるように下味をつけながら「かわいい！」と肉を愛でるテヨンさんが印象的。

弱火でゆっくりじっくり大事に焼いて、ひっくり返すとジューシーな脂が出てくる。レモンを搾ってさっぱりと一口でいただくのが今回の流儀

小池さん「口の中いっぱいに広がる脂の甘みが旨い！ ほんのりとした甘みと青唐辛子の辛みのアクセントが絡まり合って、まったく臭みがなく新鮮でいくつでも食べられます。ぷるぷるとした部分と、こんがりキツネ色に少々焦げた部分の組み合わせが病みつきになります。」

オリジナリティが光る「挟むシリーズ」

「挟むシリーズ」。その日のインスピレーションで、肉もソースの味付けも、いかようにもアレンジが自在。客のリクエストを聞いて、ササッとその場で作るオリジナリティが冴える

ある時はホットドッグ、ある日はヒレカツ、一軒専門店が作れるほど中身のバリエーションが豊富にある人気の「挟むシリーズ」。自己流で作るモスとマックのあいだ風ソース、白みそとケッパー、マスタードを加えたチーズソースなど、ソースの種類も無限大。おまかせのいいところを最大限に発揮するメニューのひとつだ。この日は、炭火焼したあとラップをかけて余熱で仕上げたレアなリブロースを挟んだものに、カシスリキュールのアルコールを飛ばし、みりんなどを加えた手作りソースを。削ったチーズを最後にアクセントとして添えた、断面萌えする一品。