福山通運×セイノーHD ドライバー不足の陸運業 路線トラックの大手を比較【ライバル企業の生涯給与】
【ライバル企業の生涯給与】 物流の2024年問題は深刻化する一方のようです。トラックドライバーの長時間労働を改善するため、残業時間などを制限。働き方改革の流れで運転手には歓迎の側面もあるでしょうが、ドライバー不足に拍車がかかっています。 「ライドシェア」サービス開始に不安の声…《酒に酔ったお客さんの汚物で車が汚されたら》 ネット通販を頻繁に利用するわれわれの生活と直結するだけに他人事ではありません。 今回は陸運業のなかで路線トラックに強みを持つ「福山通運」と「セイノーホールディングス(HD)」の社員待遇を比較してみます。 福山通運は1948年の設立。広島県福山市に本社を置きます。BtoB(企業間取引)を主体とする業界大手で、一般貨物輸送、宅配便、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)、国際物流など多岐にわたるサービスを提供しています。北海道から沖縄まで全国に約400カ所の事業所を持っています。 セイノーHDは30年の創業。田口自動車の名で岐阜県でスタートしました。55年に西濃運輸となり、路線トラック業界の草分けとして成長。2005年に現社名に変更しています。「カンガルー宅配便」はよく知られた事業です。自動車販売ビジネスなども手掛け、拠点数は海外を含め約740カ所にのぼります。 業績はどうでしょうか。24年3月期(連結)で比較してみます。売上高は福山通運が2876億円、セイノーHDが6428億円。営業利益は104億円と234億円、純利益は78億円と146億円です。 有価証券報告書(23年3月期)によると、社員の平均年収は福山通運が504万円、セイノーHDが660万9000円。役員報酬は1人あたり平均で1980万円と810万円となっています。 年代別の推定年収は、30歳時は福山通運が444万円、セイノーHDが456万円。40歳時は518万円と532万円、50歳時は564万円と579万円です。 生涯給与はこうなります。 ▽福山通運…1億7300万円 ▽セイノーHD…2億2600万円 両社の社員がこの収入に応じた平均的な支出を続けた場合、65歳時の推定資産(貯蓄可能額)は福山通運2410万円、セイノーHD3407万円です。85歳時は1910万円と1664万円。どちらも安定した老後が待っていそうです。 (データ提供「Milize」=https://milize.co.jp)